明日は結婚式

僕には少し歳の離れた姉が2人いて、下の姉(恭子)が明日結婚式なのです。



明日僕は泣くのでしょうか?







あれは数年前、上の姉(洋子)の結婚式の日。
僕は自分でも笑っちゃうくらい号泣していました…



お笑いをやっていると、本当に急に仕事やらオーディションやらが入ります。
あの日も、急にオーディションが入ったんです。


前日、オーディションが入ったので結婚式いけないかも。と家族にポツリと告げると、洋子は「そっか…仕方ないね」と残念そうに自分の部屋へ入っていきました。


激怒したのは恭子でした。


家族が結婚式に出ないなんてふざけるな!!と怒鳴られ、言っている事は分かりますし、俺だって本当は気持ち良く出席したい。けれど、素直になれなくて、僕は僕で言い分もあります。
それはそれは大喧嘩に。
狭い家です。
妹と弟が大声で喧嘩しているのが洋子に聞こえないはずがありません。


結婚式の前日に我が家は最悪な空気になってしまったのです。


そして結婚式当日。
オーディションは新宿で12時から、結婚式は横浜の方で14時から。
急げば間に合いそうです。
僕は結婚式で着る礼服を持って、オーディション会場に行きました。
するとそこには沢山の芸人がいて、とても時間がかかりそう…
しかし、意外とオーディションが13時くらいに終わり急げば間に合う時間です!

僕は走りました。
移動は全て走りました。
電車間に合いました。
電車駅につきました。
13時50分くらい。
全速力で走れば間に合いそうです!
僕は、ハンドボールで鍛えた脚力にものを言わせ全速力で走りました!

そこでふと、何でこんなに全速力で走れるんだろう?と疑問に思いました。
あ、荷物少ない…

僕は時間に焦るあまり、礼服も鞄も電車の中に忘れてきてしまったのです!!



まぁ、いい!!



今は洋子の結婚を弟として祝うのが先決!!
人生でベスト5にはいる全速力で駆け抜け、なんとか会場につきました。

すると、係員みたいな人達が扉をしめようとする寸前、なんとかチャペルにすべりこめました!!



親族は前の方にいるものですが、もう式は始まる寸前。
僕は一番後ろで立っています。
洋子は中学校の教師でしたので、後ろの方には洋子慕う数人の生徒の姿があり、僕を、コイツ何者だ?の目でジロジロ見てきます。


それもそうです。
結婚式にそぐわない、赤いジャケットで、下はブーツイン。激しく息を切らした得体の知れない若い男が急に入ってきたのです。

俺でも見ます。
花嫁を奪いにきたのか?とすら思います。



すると、照明が暗くなり、パイプオルガンが鳴り響き、扉が開くと、今まで見たこともないような美しい姉が、親父にエスコートされヴァージンロードを歩いていきます


洋子の美しさにも目を奪われましたが、久々に見る親父にも感慨深いものがありました。
こんなに小さかったっけ?と。
いや、違う。俺が大人になっただけだな


いきなり親父がつまづいて、会場に失笑が起きました。


そーゆー失敗が親父っぽいな!と和んだのもつかの間、ヴァージンロードの中頃に差し掛かった頃、親父の背中が急にガタガタガタッ!!と震えました。


親父が泣いているのです。


昔一緒に住んでいた頃は、親父が泣くなんて想像出来ませんでした。
親父は人目も憚らず、会場にいる誰よりも、当人達よりも、泣きながら進んでいきます。
その姿に会場も温かい涙に包まれました。


ただ親父よりも泣いている人が1人。




そう、俺です。





色んな要因が積み重なり、涙も鼻水も涎も、ダラダラ流しながら俺は号泣していたのです!!


中学生や洋子の同僚の教師達が、結婚式そっちのけで、俺の事をジロジロみてきました。
その内の1人に、「あんたワケありなんだろ?」と言わんばかりの優しい眼差しでティッシュをくれました。





それが、上の姉の結婚式でした。そして、明日は下の姉の結婚式…


果たして俺は泣くのでしょうか?













つーか、明日もまたオーディション入ってるわ!!


くわっ!!




【今日の気分歌】
チャットモンチー『Good luck my sister!!』