本庶さん、がん治療「第4の道」導く 衝撃の新薬に結実
10/1(月) 21:03配信
受賞の知らせを受け、会見で喜びを語る京大の本庶佑特別教授=2018年10月1
日午後7時31分、京都市左京区、佐藤慈子撮影
スウェーデンのカロリンスカ医科大は1日、ノーベル医学生理学賞を京都大の本庶
(ほんじょ)佑(たすく)特別教授(76)と米テキサス大MDアンダーソンがんセ
ンターのジェームズ・アリソン教授(70)に贈ると発表した。2人は、免疫をがん
の治療に生かす手がかりを見つけた。新しいタイプの治療薬の開発につながり、がん
治療に革命をもたらした。
【動画】「感謝いたしております」 本庶佑・京都大特別教授が会見
本庶さんの成果は、「オプジーボ」などの免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる
薬に結びついた。
体内では通常、免疫が働いてがん細胞を異物とみなして排除する。しかし、免疫細
胞には自身の働きを抑えるブレーキ役の分子があるため、がん細胞はこれを使って攻
撃を避け、がんは進行してしまう。
2人はそれぞれブレーキ役の分子の役割を発見し、この働きを抑えてがんへの攻撃
を続けさせる新しい治療を提案した。
がん治療は従来、外科手術、放射線、抗がん剤が中心だったが、「免疫でがんを治
す」という第4の道をひらいた。
1日の会見で本庶さんは、「回復して『あなたのおかげだ』と(患者から)言われ
ると、自分の研究が意味があったとうれしく思う。これからも多くの患者を救えるよ
う研究を続けたい」などと話した。
本庶さんのグループが見つけたブレーキは「PD―1」という分子。京都大医学部
教授だった1992年、マウスの細胞を使った実験で新しい分子として発表した。さ
らに、PD―1をつくれないマウスの体内ではがんの増殖が抑えられることを確認。
この分子の働きを妨げる抗体をマウスに注射し、がんを治療する効果があることを2
002年に報告した。
PD―1の働きを抑える薬は、本庶さんと特許を共同出願した小野薬品工業と、米
製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブが開発。末期のがん患者でも進行をほぼ抑
え、生存できることがあり、世界中に衝撃を与えた。薬は「オプジーボ」と名付けら
れて14年、世界に先駆けて日本で皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬と
して承認された。肺がんや胃がんなどでも効果が確認され、現在は60カ国以上で承
認されている。
ジェームズ・アリソン教授は90年代半ば、PD―1とは別の病原体を攻撃する免
疫細胞の表面にある「CTLA―4」という分子が、免疫のブレーキ役を果たしてい
ることを解明。この分子の働きを妨げることで免疫を活性化し、がん細胞を攻撃でき
ると発案。マウスの実験で証明した。
CTLA―4については、「ヤーボイ」というメラノーマの治療薬として60カ国
以上で承認されている。
日本のノーベル賞受賞は、16年の医学生理学賞の大隅良典・東京工業大栄誉教授
に続き26人目。医学生理学賞は87年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授
、12年の山中伸弥・京都大教授、15年の大村智・北里大特別栄誉教授、16年の
大隅氏に続いて5人目。授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の90
0万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)は受賞者で分ける。
https://yoshimoto.cc/life/kantei1?...https://yoshimoto.cc/ 吉元式新しい姓名判断
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