『1つ飛ばして。』


「べっぴんさん、べっぴんさん、1つ飛ばして、べっぴんさん」

「飛ばしてどないすんねん!」

よく聞く漫才の掴みですが。

これを
実際に舞台で言った事はないのですが…。




あれは
中学三年生の夏。丁度、今ごろ。
各学年、各クラスの代表が山間の合宿舎みたいな所に集められ何日間か泊まり掛けで「何かをする」リーダー研修というものに行かされました。「何をしたか?」は全く記憶にないのですが。



男子、女子、別々の建物でしたが、

そりゃ、中学生ですから
ましてや泊まりとなると
興奮するのはやむを得ません。

でも皆、各学年各クラスの代表ですから
先生の見回りを恐れて
静かに楽しく過ごしていました。

しかし

中に1人

スーパーヤンキーの日向くんが含まれていました。

なぜスーパーヤンキーの彼がリーダー研修に来ているのか?今に思えば異変なのですが、その当時は何も思わず日向くんを皆で囲むしかありませんでした。

日向くんは
恐れるものは何もないのか?
周りを気にせず大声で騒いでいました。

先生にばれないか?ひきつった笑顔で取り繕うリーダー達…

深夜になるまで
その宴は続き…

皆やばいなーやばいなーと思っていた所に

案の定

襖がバッと空いて

男性教諭と女性教諭が1人ずつ立ってました。

「なにやってんだぁ!くらぁ!」

男性教諭は女性教諭の前という事もあり気合い15%UPです。

その男性教諭は仮に山田先生としましょう。

この山田先生というのが曲者でして

強気を助け弱気を挫く絵にかいたような男で、
いじめられっ子に強く
ヤンキーに弱い

もちろん

スーパーヤンキーの日向くんには
からきし弱い。

とにかく
生徒からのリスペクトは地に落ちていて
ブラジルまで付きだしてるくらい…

そんな山田先生が

「なにやってんだぁ!くらぁ!」です。

中学男子のリーダー達は
一斉に寝たふりをしました!

が時すでに遅し

「全員、立てくらぁ!」

全員、布団から出て

整列しました。

日向くんも意外と素直に僕の右隣に整列していました。

「不良も素直に並ぶのね」と思ったのを覚えてますね。

そして

山田先生の
ネチネチ説教が始まり

整列の前をゆっくり右に左に行こうとした最初のターンで

山田先生は絶対的に苦手な日向くんを見つけて一瞬止まったのが皆には分かりました

しかし

女性教諭の前で格好つけなきゃならない山田先生は

一瞬ひるんだのを隠すかのように

より一層テンションをあげて!

「おまえら、ココになにしにきたんじゃあっ!!」



深夜にお前が迷惑だろ…と言われるくらいの大声を出したかと思うと

右端から
片っ端に

ビンタをし始めました!

「うわー」と思いましたが

皆が殴られてるのです。
逃げるわけには行きません。

くらぁ!バチン!

くらぁ!バチン!

山田先生のくらぁ!の後にバチン!という鈍い音が段々と近付いて来ました。

僕は

覚悟を決めていました。

いよいよ

山田先生は

僕の一個手前、日向くんの前まで来ました。
次は僕だ…と思っていると

くらぁ!と山田先生の声

バチンッッッ!!



鈍い音…









僕が殴られてました。

そうです

日向くんが苦手な山田先生は後々の報復を恐れて日向くんから隣の僕にワープしたのです。



中学生ながらに思いました。







「飛ばしてどないすんねん!」


【明日】

金のたまごちゃん
@千川BeachV
18:30/19:00
¥1000

宜しくお願い致しますm(__)m