『ぼくと二郎さんの10 年戦争。』

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ライブは佳境も佳境

大トリ…

漢(おとこ)のコンビの出番。

漢のコンビは

「ハッピーマンデー」と言った。

振替休日、月曜休み

故に

テンション上がる…

そういう意味のコンビ名なのであろう。


そして

漢は
舞台袖で
指の関節を鳴らしながら

「格の違い見せたろかぃ?」



お笑い特有のおふざけでもなんでもなく

吠えた。

マジで

吠えた。

しかし

足下に目をやると

ガクガクと震えていた…




ぼくは
漢が
人格が分裂しているとしか思えなかった。









トリ前のネタが終わった。

暗転

出囃子の曲が流れる

漢が臨戦態勢に入る。




さんざん
尖り倒した漢だ…

お客さんに

どんなに上から目線で入るのだろう?

下手したら

野次じゃすまない

空き缶、ペットボトル、チラシ、鉛筆、鞄、座席、身ぐるみ、裸の女性…

色々な物が投げ込まれても変しくない人間性だ。


ぼくはドキドキした。



漢に目を向けると

未だに天を仰ぎ見ている。
このまま…

この不遜な態度のまま…

漢は舞台に出て行ってしまうのだろうか?


確実に暴動が起きる


そう思ったぼくは
非常口の位置を確認した。


そして

出囃子の曲が止み
舞台に照明が点いた。



ぼくは覚悟をし

再び
漢に目を向けた…
















ウィーン
カシャン

ウィーン
カシャン









先程まで
天を仰ぎ見ていた漢が

機械音と共に

形態を変えているではないか!?

ウィーン
カシャン

ウィーン
カシャン
カシャン
カシャン

漢は静止した…
どうやら変形が終わったようだった…

そして

漢の脇腹辺りに付いた小さな赤いランプが消え

スタンバイ…オーケー

漢の体の何処かしらから
電子的な声が聞こえた。


天を仰ぎ見ていた姿とは

まるで違う

腰を老人並みに屈め

手は幾らでも拍手が出来る様に前に突きだし

膝は人の膝が立ったまま曲がる限界まで曲げ

お客さんに

媚びに媚びる姿勢になっていた。












それは
さながら
マクロスのバルキリーに足が生えている様な状態…ガウォークモード様であった…(つづく)