『良い匂い。』

レストランにて。








ウェイターが香水を付けていた。

とても良い匂い…

しかし

かなりキツい。







家族連れが来た。

父親

母親

娘。

父親と母親は四十代後半…

娘はお年頃。



GWを利用して

東京に遊びに来た感

が満載だった。






香水の匂いがキツい

ウェイターが

ドリンクメニュー

と同時に

おしぼりを手渡す。





母親が言う












「アレ?なんかいいにおいしねぇっけ?」











ガッツリ訛り。










娘が言う。













「そうげ?」














娘もガッツリ訛り。











父親は










「…」














口を開けて
東京の夜景に驚いていた。










母親が

「オメ、香水づげでんのが?」



口から発した

濁点が付く仮名

全てに

もれなく濁点を付けて

娘に聞きながら

娘の手首の匂いを嗅ぐ…











娘は











「いんや…」



香水を付けていないと否定する…











父親は











「…」
















まだ

口を開けて
東京の夜景に驚いている。










母親が

「じゃなんだべ?」



「匂いの元」を

麻薬犬の様に

嗅ぎ回り始めた…














自分の手首…











着ている洋服…













テーブル…















メニュー…











そして











「みっげだぁっ!ごれだぁ!?」



母親が



















クルクルッと綺麗に丸められた
おしぼりを嗅ぎながら
叫んだ…














娘も、それに続く…













「東京は、おしぼりまで、いい匂いすんだな」











そして

先程まで

夜景に驚いていた
父親が口を開く…




































「Please…menu…」

















僕は





腰が抜けた。