映画「奇跡」を見て。

  • 戸田彬弘 公式ブログ/映画「奇跡」を見て。 画像1
昨日見たのは「奇跡」という映画です。

今の時代をしっかり描いていました。

無駄なものを排除していくのも確かに大切ですが、
人を幸せにしたり、救ったり、奇跡を起こしたりするのは、実は無駄なことが多かったりする。

無駄な事に助けられる事は凄く多い。


鹿児島の火山が噴火する町が舞台の映画は、そこに暮らす事になった少年の目にだけ、火山灰が毎日落下する町に暮らす事を疑問に思わせる。

少年の友達は「早く馴れたら。」と声をかける。
少年は返事をしない。
おじいさんは。「山が噴火しているのは生きているからだ。たまにはこうしてうっぷん爆発させてやらないとな。」という。
少年は納得できない。
いつまでも夢を見続けるだめな父親に「仕分けってなに?」と質問する。
父は「無駄なものは排除しましょうってことやろ。」と答え、少年は「じゃあ。父ちゃんと一緒やな。母ちゃんにいつも言われてたもんな。無駄って。」とこたえる。しかし父は「無駄な事があるから楽な気持ちになれる。世の中全てに意味があったら息苦しいやろ」と自分を正当化する。
しかし、少年は「無駄だけじゃ駄目だけどね。」と冷たくあしらうのだ。

その後、鹿児島に走る「さくら」という新幹線がすれ違うときに「奇跡」が起こるという都市伝説が小学生にはやる。
それを見るために少年少女達7名は熊本県ですれ違う瞬間を目撃しようと奮闘していくのです。

少年達の願いは、「また家族四人で暮らせますように。」「女優になれますように。」「犬が生き返りますように。」「絵が上手くなりますように。」「父ちゃんがギャンブルをやめますように。」というもので、もちろん、すれ違う時にお願い事をしても大きくは変わらないのだ。

だけど、その旅で起きた体験が彼らの中で立派な奇跡を起こしているのに帰宅するときにそれぞれが気づいていく。

大人からみたら無駄な行動。でも、それで救われた人もいるし、子供達もそれで救われている。

奇跡は無駄なところから起こるのだろう。

最後に、主人公がいう台詞が深い。

「ごめんな。俺、願い事することができなかった。家族じゃなくて、世界をとったんだ。」

家族ではなく、世界。

これがどういう意味なのかは映画をご覧になってください。


ラストシーン。少年が噴火している山をただ見つめるシーンが心に響きます。


灰は今の日本社会の隠喩だろうな。

どんだけ辛くても生きていく力を。奇跡を起こすための前向きな姿勢を。目の前にあるたくさんの輝かしい事柄に気づく視点を。
子供達が教えてくれます。
「子供手当て」「事業仕分け」「子供のままの親」が子供から遊ばれるように使われるところも、子供だけが真実が見えているかのように思わされます。
大人は見てみぬふりをしているのだと思わされるのです。

原発は安全だ。という神話的安全論が黙認されてたかのように。




是枝監督の真骨頂が全てつまったような作品です。

「誰も知らない」

で魅せた子供の演出の上手さ。子供の視点のリアルさ。

「歩いても、歩いても」

で魅せた奇麗事ではない家族愛の形。

「ワンダフルライフ」

で魅せたインタビュー形式でリアルな反応をとらえる技。

そして、元々ドキュメンタリー出身であるリアリティを描く技。


そして、たくさんの名優たち。

しゅえんのまえだまえだの二人も良かったが、


樹木希林、橋爪功、オダギリジョー、阿部寛、長澤まさみ、夏川結衣、りりぃ、原田芳雄、大塚寧々。

そうそうたる演者達です。


オススメの一本です。

 
  • コメント(全10件)
  • §ユウ§ 
    7/1 00:49

    誰も知らないを観て
    いろいろ考えました
    母親の役割とか…
    この作品を
    観て、また
    いろいろ考えさせられそうですね

    大好きな俳優さんばかり

    観にいかなき

  • メロンQ☆ グリまったりします 
    7/1 00:58

    ぉ疲れサマ
    何か切ないような
    供からみると意味のないようなしと感じても大人にしてみると姑息な口実だったりと
    外に子供のほうが的をえてたりするから怖いね

  • 愛愛 
    7/1 01:19

    戸田さんにはいつも良い言葉を聞き色々考えさせてもらっています
    人生色々…
    私も生まれ変わって今の私とは違う人になりたいな…
  • 雪ノ輪熊&な〇か 
    7/1 05:28

    だれもしらないは見ました


    昔もいまも、子供は大人が想像する以上に、生まれながらに、幸せについて考えているんですよね。

  • プロ美 
    7/1 08:46

    「奇跡」は私も観たいと思っていました
    戸田さんの日記を読んで、ますます観たくなりました
    家族ではなく世界をとったという、主人公の台詞はとても気になります。
    今週末、行けるかなあ…
  • 戸田彬弘 
    7/2 01:51

    ユウさ
    見てください。僕はとっても素敵で好きな作品になりました
    こういう映画を見てみたいと強く思います。
  • 戸田彬弘 
    7/2 01:51

    メロンさ
    子供の解釈を大人はもっと尊重しないといけない気がするのです。
  • 戸田彬弘 
    7/2 01:51

    流れ星さん
    大丈夫ですよ。生きてればなりたい未来になれますから。
    本人の意思だけですよ!
  • 戸田彬弘 
    7/2 01:52

    雪ノ輪熊さん
    そうですね。子供の心理はきっと純粋で普遍的だから、いつの時代も同じなのかもしれないですね。
  • 戸田彬弘 
    7/2 01:54

    プロ美さん
    是非是非みてください!
    オススメします。
    僕の日記がそんな影響になってるなんて書いてみて良かったです。
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