活人剣

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今朝までまたまた映画を3本鑑賞。
今回はそれぞれまったく毛色を変えました。

『蛇とピアス』
『地下鉄(メトロ)に乗って』

そしてもう何度目だろう?
東映時代劇の中で個人的BEST3のひとつ
『柳生一族の陰謀』 を観ました

あとのふたつは『魔界転生』と『里見八犬伝』


憧れの真田広之さんが“真田姓”としてデビューした記念すべき作品で、千葉真一さんが初めて柳生十兵衛に扮した作品だったりもします♪また昨日紹介した大原麗子さんが、歌舞伎の創始者とされている“出雲の阿国”を演じています。

萬屋錦之助さん、松方弘樹さん、西郷輝彦さん、原田芳雄さん、成田三樹夫さん、室田日出男さん、志穂美悦子さん、丹波哲郎さん、そして三船敏郎さんと言う、今では二度と実現不可能な豪華絢爛なキャストとスケールの映画です。


さてこの映画では、陰謀を企むラスボス的な描かれ方をされている柳生但馬ですが、実は徳川幕府230年に及ぶ戦乱無き平和な時代の礎を作ったとされる最重要人物なのです。

柳生家と徳川家との関わりは、関ヶ原合戦前に柳生の剣(新陰流)の噂を聞いた家康の前で、先代石舟斎が“無刀取り(現在で言う柔術の起源)”を披露した事から始まります。
父石舟斎に推挙された宗矩は家康に仕え、その後秀忠、家光と歴代将軍の剣術指南役となり、柳生新陰流は将軍家御流儀としての地位を確立させ、やがて禄高一万石の大名にまで上り詰めた、歴史上ただひとりの剣豪なのです。

その宗矩が家光の為に書いた「兵法家伝書」に記されているのは、
−武士たるものは剣をいかに用いるべきか。そのためにいかに心を養うべきか。−と言うこと。

「悪を殺して数多の人々を活(い)かす。
それができれば人を殺す為の刀も人を活かす剣になる」
−“戦の無い平和な世を作る”と言う信念があれば、刀は多くの人を活かす活人剣となる。−

宗矩は家光に剣の教えを通してそう説き続け、それまで“恐怖政治”の為の掟だった「武家諸法度」が、平和な世を永続させる願いを込めた内容に一新されました。

それは家光が改訂した武家諸法度最後の一文
「大名は領民の暮らしの安定だけに心を砕くべきである」
にも強く顕れています。

そして宗矩の死後、将軍家光はこう言って称えました。

吾(われ) 天下統御(とうぎょ)の道は 宗矩に学びたり


こうしようと一筋に思う心こそ
人が誰しも抱える病である
この病を必ず治そうと言う
こだわりもまた病である
自然体でいること
それが剣の道にかなう
本当に病を治すと言うことだ

−「兵法家伝書」−


心を動かさぬこと
向かい来る相手一人一人に心動かしては
やがて防ぎきれずに斬られてしまう
一切心をとどめず受け流すこと
このこだわらぬ心こそ動かぬ心である

−“斬りかかる十人の敵に勝つ方法とは?”と問う宗矩への禅僧沢庵の言葉−


こうした“この世を生き抜く為の叡智”に溢れる、古の先人達の言葉に出会える機会って、普段はなかなかありませんが、映画や小説でその存在を知り、興味を持って調べる内に出会うって事はありますね♪

勿論映画や小説の世界には、表現手段としての脚色があり、史実や事実と違ったり、また史実と事実が違ったりする事もありますが、今も昔も変わらぬ人の心とその葛藤から産まれた、生きる為の知恵や心の在り方に出会える、ひとつの切っ掛けには間違いなくなります(^^)

そう言う世界がある事、その世界を作った先人達がいてくれた事、そして今その世界の末席にいる事に感謝です♪


『活人剣』(かつにんけん)

−殺す刀で人を活かす−


武の世界にも生きる僕への戒めとも言える思想です。

 
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