次のステージへ

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通りゃんせ、通りゃんせ―
あまりにも有名な一説から始まる「天守物語」。
今回のStudio Life版では多くのオリジナル解釈が存在した。

過去の富姫が描かれていたり、領主が登場したり、桃六を神として扱っていたり。

それらは原作をとてもわか りやすく咀嚼した結果であろう。

ご観劇された皆様はどのように受け取られただろうか?


私の演じた富姫も、無念を残して自害し、強い恨みと共に妖怪として復活を遂げる。

そして天守の最上階に住まい、人々からは怨霊として恐れられる存 在となる。

常に庶民の味方をし、横暴な振る舞いを見せる権力者たちには容赦ない災いをもたらす。

そういった場面が、わかりやすく表されていたのではないだ ろうか。

そうして人々に恐れられる一方、昔の亭主を一途に思い続け、

その面影を宿した図書之助と恋に落ち、やがて追いつめられて心中をも決意する。

自身も 神に近い力を持っていただろうが、恋のせいかその力を失ってゆく。

しかしより大きな神である桃六に助けられ、争いの繰り返される地上とは別のステージへ

救 い上げられる。

その桃六も「光がさす―、月の光だ―」という台詞にあるように、

さらに大きな神からの祝福を受ける。


人は努力しなければ、より良い人間にはなれない。

そして死んで神になったとしても、さらに努力しなければ次のステージへ上がれない

神も常に思い 悩んで存在しているのかもしれない。

とても宗教的、仏教的で、観念的にとらえることの出来るよい作品だった。

そして、これらのことを我が身に置換えると身 にしみるな。

もっと努力して次のステージへ進まなければ。


及川健