キキョウ徒然日記 其の参

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怪となりて、憂世を流る混沌の年月を、幾度見送り、涙したことか……
キキョウに御座います。

さて、先ずは、写真1枚目をご覧くださいまし。

こちらは、申し上げるまでもなく、名門、薄井平(うすいたいら)家の家長、セッキード侯爵に在らせられます。この真っ平らな余白だらけの御尊顔。まるで、何も描かれていない、真っ新なキャンバスの様ではありませんか。侯爵様が楽屋入りして、真っ先になさることは、このキャンバス一面に、目と鼻と口を描き入れる事なので御座います。写真は、まだ途中段階。擦り傷の様な御目が、切り傷くらいになったところで御座います。

セッキード侯爵と云えば、可もなく不可もない、「無」に近いそのキャラクターを生かし、メインキャストに喰い込むという荒業をお持ちのお方―――――しかし、今回、唯一無二のその地位を脅かす存在が、侯爵の背後から、ひたひたと足音を忍ばせ近づこうとしているのを、このキキョウ、見逃しはしませんでした。

その脅威とは―――――
(写真2枚目)

なんということでしょう!!!

もはや、セッキード侯爵にとっては、サドンデス、いいえ、ハルマゲドンに御座います!!侯爵の「無」の顔を、易々と凌駕してしまう程、寒々としたショボイ顔。それもその筈、このお方は、ショボイ連邦共和国国王のご子息、ウサミル・ショボイコビッチ皇太子なので御座います! これは、脅威どころの騒ぎでは御座いません!セッキード侯爵の確固たる地位が、今まさに、グラグラと揺らぎ始めたので御座います。このまま、この追随者を野放しには出来ないと思ったので御座いましょう。侯爵は、ウサミル皇太子を呼び出し、緊急サミットを開催したご様子。

何を話し合われたかは、存じ上げませぬが、セッキード侯爵には、どうか広い心で居て欲しいと願う、キキョウで御座いました。


さて、今回は、

「ここだけの話があれば、聞かせて下さい」
というご質問に、お答え致しましょう。


既出の御二方に、負けずと劣らぬ平凡な御顔の持ち主、毒林勇ノ輔様が、先日、セッキード侯爵の化粧の腕が上がってきたと、お褒め遊ばしました。やっと、お前も、自分の顔を受け容れ始めたか、と。

侯爵は云いました。

「はい、マズい部分を隠せるようになってきました」

すると、毒林様の表情が一変。

「この戯けが!!!マズい部分を隠す為に化粧をするのではない!マズい部分をチャーミングにしてやるのが化粧じゃ!!」

自分の顔とちゃんと向き合って初めて、化粧も上手くなる。だから、化粧とは、自分の顔を否定する心で施すものではないのだと。

はて……セッキード侯爵が、毒林様のようなカリスマ・ブサイクになれる日は来るので御座いましょうか。






林 勇輔