想い出の天守物語

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2001年7月、夏の暑い最中、東京は渋谷のセルリアンタワー能楽
堂という小さな会場で、11日からわずか5日間という短い
期間「天守物語」が上演された。この公演の発起人にして富姫役に松坂
慶子さん。演出には今は亡き野村万之丞さん。そして脇を固めるのはア
イドルの富田靖子さん、大駱駝鑑の麿赤兒さん、状況劇場の李麗仙さ
ん、花柳流の舞踏家で紫綬褒章授章の花柳寿南海さん、狂言師にして人
間国宝の野村萬様、そしてジャパンアクションクラブの方々と錚々たる
出演者。その中に何処の馬の骨とも判らない小さな役者が一人、Studio
Lifeという小劇場の劇団から及川健という役者が亀姫&修理役で出演し
ていた。

このときほとんど初めての客演であった私にとって、ものすごく熱い、
そして緊張の舞台を迎えていたのだ。今振り返っても本当に印象深い公
演で、その後の自身の役者人生において大いなる糧となった公演であっ
た。

そして時は流れ、今、私はStudio Lifeの舞台で富姫として天守
物語の稽古に励んでいる。それまでの私にとって富姫といえば松坂慶子
さんであった。その富姫を演じる機会を得たことは私にとって真に光栄
なことだ。そして実際に富姫の台詞を喋る私の脳裏には、慶子さんのあ
の美しい台詞回しが響いてくる。あの当時万之丞先生に散々仕込まれ
た、美しく、且つ喋るには難しい鏡花の台詞を、こうして再び話す機会
を得て感慨一入である。

これまで様々なカンパニーがこの泉鏡花原作の「天守物語」に取り組ん
でいる。しかし今回のLife版「天守物語」はそれらの公演とは一
線を画する独自解釈の作品になりつつあるのではなかろうか。
Lifeらしい解りやすく楽しく親しみやすい泉鏡花作品になること請け合
い。是非ともご期待いただきたい。そして劇場に足をお運びいただけれ
ば幸いです。



さて、次回の本ブログ担当者は、新人ながらに私と
Wキャストを務めたことのある人物だ。
あの時の稽古初日?
私「◯◯、すまん、今日、歯が痛くて(私が)稽古
できそうにないから見学させて」
◯◯「え…」
私「代わりに両チーム分、演っといてね」
◯◯「あ…、はい」
その後、◯◯は倉田さんの前でその役を熱演。
しかし奮闘むなしく倉田氏の全人格を否定する恐怖
のダメだしが浴びせかけられる。
倉田「△??◎?○????…」
◯◯「…はひぃぃぃぃ…」

さて、次回もお楽しみに。
byけん おいかわ


2001年の公演当時の台本や印刷物たち。
私もまだ若い。