本当に重要な言葉

今から10年くらい前の話。


数少ない友人の1人、岩本君(仮名)。


それはそれは彼女が出来なくて苦悩していた。


苦悩した彼が、考案した少し悩みが軽くなる手段が「なんちゃって彼女」


道行く女の子を見て瞬時に歩調、呼吸、感情を合わせ、ただただ隣を歩く。

楽しそうな人には、楽しい歩調、呼吸、表情を
悲しそうな人には、悲しい歩調、呼吸、表情を

勝手に受信して、それに合わせる。それが重要なんだと彼は言っていました。


彼はそうして、彼女とのデートを疑似体験していた。


当時は正直、何が楽しいのかわからなかった。
大きい病院に連れて行くことも考えた。


それ程、理解できなかった。


そして時は経ち、2011年。

駅で人と待ち合わせをした。


待ち合わせ場所は、駅周辺で一番目立つ場所にした。

しかし、土曜日だけあって、僕の様に待ち合わせをする人がたくさんいた。

待っているだけと言うのは、暇なもので自然と相手が出て来るであろう駅の方を眺めていた。


すると、全く知らない可愛い女の子が、こちらを見て笑顔で手を振る。
そして、とても幸せそうに走って近付いて来る。

あら嬉しい。でも誰?

思い出そうとしても、全く心当たりがない。
困りながら、笑顔を作った僕の横をすり抜けて、後ろの彼氏の元へ。


キャーーーー!!!


すげー恥ずかしい。


と思う前に、何か心がほっこりした。


何せ可愛い女の子の彼氏に向けた愛情たっぷりの笑顔を向けていただいた訳ですから、マクドナルドのスマイルとはわけが違う。

それは、カニカマとカニくらい、電話の子機とテレビのリモコンくらい、ぷーさんとグリズリーくらい、似て非なるモノ。


それを勝手に受信する。これは、イイもんだ。僕は大喜びです。



その後、待ち合わせも忘れて、待ち合わせの疑似体験を楽しんでいました。


そして、思い出した。



10年前の岩本君の言葉。

勝手に受信して、それに合わせる。それが重要なんだ。



本当に重要な言葉ってのは、時間が経ってから気がつくものなんだと知りました。

 
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