衝撃の書を読んだ。

  • 鬼塚忠 公式ブログ/衝撃の書を読んだ。 画像1
 著者が、捨て身で書いているような本だった。
 山本賢蔵著「きみは金色の雨になる」(平凡社)
 著者は元NHKパリ支局長。父の仕事の都合で、山本家は幼少の頃、パリで過ごした。弟と二人でフランスの学校になじもうとする。しかしアジア人であるが故、想像を絶するいじめに遭う。弟と二人で、フランス人から死ぬほどの暴行を受け、木にくくられて放置され、服を脱がされ、文字通り他人の目にさらされる。先生とてかばってくれない。また、弟のいじめられる姿を目の当たりにしたりと、...著者は人間性を失う。それはもう悲惨すぎる。
 しかしあるときにフランス人四人組が命を張って、山本兄弟を助ける。その四人組と仲良くなる。そこで分かるのだが、その四人組はユダヤ人だった。歴史的に迫害を受けたユダヤ人たちは、現代であっても、他の民族であっても、子供であってもいじめはいけないと言う。いじめには命をかけて戦う、と。
 そして大人になり、著者は東大法学部に入りNHK入局。最年少でNHKパリ支局長になる。しかし弟はまだ完全に心の傷が癒されていなかった。弟はパリに遊びに来る。人生において兄だけが頼りである。兄にしか心を開けない。
 しかし弟は兄の部屋で自ら命を落とす。
 兄は深く後悔する。死んだ弟の過去を追う旅を始める。
 そして・・・そして・・・、あとは私からは書けない。
 これ、実話なんです。こんなにも心を揺るがした本は今まであっただろうか。人間って何だろうと真剣に考えたい人におすすめです。