「記憶喪失」ごっことタイムマシン

 最近、家の中が地獄だ。別に妻とけんかをしているわけではない。今年はまだクーラーを使っていないからだ。おかげで暑くて眠れやしない。私も妻と同じく省エネは重要だと思うのだが、この暑さの前ではその意思も揺らぐ。

 しかし人間は、何か不都合があると打開策を見つけるもの。私はついに究極の方法を見つけた。寝るときに、氷をタオルで巻き、それを首に巻きつけて寝るのだ。首に氷を巻いて寝た初日、想像をはるかに超えて久しぶりにぐっすり眠れた。

 しかし、次の朝起きた瞬間、いつもと違うのだ。不思議なことに昨日何時に眠りについた、今どこにいるかなど一瞬全く思い出せない。まるで記憶喪失のような感覚。もちろんしばらくすると戻るのだが、この“プチ記憶喪失ごっこ”という面白い遊びは案外面白い感覚で、しばらくはまりそう。

 遊びといえば、エスカレートするものである。氷を強力保冷材に変える。しかし本当に冷たいので厚いタオルを二枚ほど巻く。体を冷やすのに有効なのはリンパ節を冷やせばいいと知り、わきの下とかに当てるが、なんだか変な感じがしたので静脈を冷やせばいいと思い、首の静脈に当てることとした。

 結果、最高の「記憶喪失」ごっこは完成した。
 起きた瞬間、
 なぜ私はここにいる?
 私はどこの誰だっけ?
 ここはどこだっけ?
 という感覚を味わう。予定通りだ。

 しばらくは脳の中がまったくの空白状態で、もう何年も寝ているような、そんな感覚だ。
 そして、その記憶喪失ごっこをやってからというもの、昔の記憶がより鮮明に思いだせるような気がしている。子供のころに行った山奥のキャンプ場、好きになった先生、などなど。
 そして子どもの頃もっとも興味のあったタイムマシン。この氷枕はタイムマシンみたいなものではないか、そう思う。マイケルジャクソンも、自分を冷凍保存し、時間を超えて未来を生きたいと願った。これも一種のタイムマシンだ。ハッブル望遠鏡もそう。数億年前の光を見ることができる。
 ハッブル望遠鏡は自分で作れないが、氷枕は出来る。ついに、子供のころからのタイムマシンを作るという夢がかなえられるのかもしれない。試行錯誤は続く。
 もうひとつ。この記憶喪失ごっこはとても危ないので決して真似しないでください。永遠に時を旅することになっても責任は持ちませんので、あしからず。

 
  • コメント(全3件)
  • 尾木ママ@ボンちゃんらぶ 
    8/15 19:32

    さすがっすね
  • モコたん 
    8/16 01:01

    やってみたいですけど、身体を冷やすとすぐ おなかを壊したり、頭痛したりしちゃいます

  • なお 
    8/16 07:53

    保冷剤ではものたりないくらい暑いんですね
    憶喪失ごっこ、気をつけて楽しんでください

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