ついに跳びましたパスファインダー♪

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『パスファインダー』無事にすべてのステージが終了しました。
劇場まで足を運んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。


これから『パスファインダー』のお芝居の内容に深すぎるほどに触れます。
DVDでご覧になるのを楽しみにしてくださっている方、よかったら数ヶ月後に読んでください。


大阪初日までは、私が演じた倉敷臨の闘いは孤独でした。
劇中劇に関してもお客さまに楽しんでいたいだくために情報を出すことを禁止されていましたが、それよりも何よりも、リン=倉敷ということは絶対に秘密にしなければならない。
チラシにはキャストの2番目の位置に名前が書かれてしまっていて。
ヒロインではありません、違いますって嘘をつかなければならない毎日。
なんで嘘なんかつかなくちゃいけないんだろ…でも、それが倉敷の気持ちと重なる部分もありつつ。
ところが、大阪初日を迎えた後、客席には2度目、3度目のお客さまが来てくださるようになりました。
倉敷の共犯者が客席にいらっしゃる。
倉敷臨はやっと孤独ではなくなりました。
リンと同一人物である説得力に対するプレッシャーだけでない日々が始まり、本番には稽古では想像できなかった喜びがありました。
秘かに見届けてくださる方がいて、一緒に笑い、一緒に驚き、一緒に泣いてくださる方がいること。
不思議な体験でしたが、本当に幸せな時間でした。


この子の23年間の想いはどのようにホンモノに、信じられるものに、説得力のあるものになるのだろう。
どんな想いで、どんな人になって、35歳を迎えるのだろう。
脚本には描かれていない部分は自分の中で作り込むしかありません。
リンは難しい家庭環境で育ちましたが、それでもたったひとつの光に向かってまっすぐに生きていったのだと思います。
「Pフレック」「アンドロイドの開発」
12歳のときに笠岡さんから聞いたその言葉だけをたよりに必死に必死に研究者になりました。
恋もしたと思います。
結婚を考えたこともあると思います。
彼のことをもう忘れてしまいたいと思ったこともあると思います。
でも、12歳のときから決めていたことは揺らがない。
私も舞台女優になろうと決めたのがちょうどその頃でした。
そのことだけを考えて生きてきた子は根っこで諦めきれないのです。


臨にはもう1つ、興味のあることがありました。
「なぜ、アンドロイドの開発をしている研究者が、タイムトラベルをして23年前に来ることができたのだろう」
研究もしながら、倉敷は徹底的にPフレックで極秘に行われているタイムマシンの研究について調べたのだと思います。
でも、どんなに調べても情報が出てこない。
そこでひっかかってくるのが、野方さんの研究に参加したPフレック開発2課の同僚、吹原さんと布川さん。
一緒に働いていた仲間のふたりが突然、消えた先はどこ?
もしかしたら、笠岡さんも同じようにどこかに消えていなくなるのかもしれない。
それは、どこに。なぜ。
悠然と帰りを待っていても会えなくなるのではないかという不安。
ここからも私の勝手な想像です。
手がかりを求めて臨はアメリカに渡り、ある人物に会いに行ったと思って演じていました。
過去改変という大罪を犯したことにより、密かに国外で野方さんの研究を手伝っている人物に。
Pフレックが大騒ぎになったことは倉敷の記憶にも残っていましたから。
その人に12歳のときに会ったタイムトラベラーとその手に巻かれていたボグの話をしたのではないかと。
そして少しだけ、野方さんとクロノスについての話を聞けたのではないかなと思います。
だから、倉敷は自分がタイムトラベルする準備も万端だったわけで。
倉敷を助けてくれたのは、先輩の吹原さんなんじゃないかなぁと思っていました。
クロノスシリーズを観てくださっている方はもう詳しくご存知のことと思いますが、クロノス・ジョウンターに乗って過去に行くと、未来にはじき跳ばされるパターンともうひとつ、人の命に関する過去改変をしてしまった場合は、その人は動機がなくなりそもそも過去には行かなくなります。
その人も、助けられた人も、深く関わった人はみんな、記憶を持ったままで。
私はこの体験を何度もしました。
蕗来美子も、秋沢真帆も、片倉珠貴も。
そして、倉敷臨も。
こうした積み重ねがある上で、今、倉敷臨を演じられたことに感謝しています。


新作ということでそれを立ち上げるまでの稽古は苦労の連続でした。
みんなで自分たちのパフォーマンスを映像にとって見ながら巻き戻しと早送りの研究を繰り返したり。
ここでこの伏線をはっておかないと成立しないとか、ここにはこんな台詞を入れた方がわかりやすいとか、みんなでたくさん考えました。
不安な気持ちでいっぱいだったけど、でも初日があいたらみんなが笑顔になりました
みんなが楽しい、楽しいって言いながら、出演できてよかったといいながら、毎日を過ごす公演になりました。


課長と野方さんには、ほんとに助けられました。
ふたりの部下でよかったです。
25年後の世界でもきっと手を差し伸べてくださることでしょう。
ふたりの周りには年齢がおかしい戸籍をもつタイムトラベラーがみんな集まってるんでしょうね。
困ったら野方医院に行けばいい!


1992年の劇団の仲間たち。
お客さんに盛り上がってもらえてほんとによかったです。
笠岡秋路くんの相手役でしたが帽子に手を伸ばしてくるまっすぐな瞳にどきどきしました。
素敵すぎる岡本さんでした。


絵子さんから手紙が届いたとき。
23年間待っていたのは、自分1人じゃなかった、ということを知りました。
それはそれは深い感動でした。
23年、長かったですね。
ありがとうございました。
この物語に出てくる2人の女性は強くて真っ直ぐでかっこよい。
私も2人を見習って、想いを強く持って誰かのために生きていきたいと思います。


そして、ちびリン。
あなたが見た世界を知りたくて稽古では食い入るようにシーンを見ていました。
あなたからもらったバトンを落とさないようにしっかりゴールすることだけを考えてました。
ふたりでひとつ。
演劇の面白さを味わうことができました。
次は木村玲衣と『スキップ』をやりたい。
あ、それをさんざん演出家に言ったから、この物語を書いてくれたのかもしれません


最後に愛しの笠岡光春さま。
大変な実験、お疲れさまでした。
あなたが運が悪くて、よかったです。
出逢えた奇跡を大切にします。
あなたがお兄さんに婚約者だと紹介してくれたとき、本当に本当に最高に幸せでした
今後も、お酒は控えめに。


クロノスシリーズで、やっとPフレックの社員になれたこと、そして、クロノス・ジョウンターに乗れたことは私の誇りです。
本当にありがとうございました。