『太陽の棘』終わりました♪

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キャラメルボックスが初めて外部から作家さんをお招きして脚本を書いていただく企画、キャラメルボックス・アラカルト。
ほさかようさんの台詞を話せることを、この企画が決まった1年以上前からずっと楽しみにしていました。
そして、ほさかさんに書いていただいた作品『太陽の棘』。
その中の、ほさかさんに書いていただいた役、星宮明音。
最初に読んだときから、身体と心にすとんと言葉が入ってくるし、気持ちがわからないところがない台本でした。
明音の状況は重たいものだったし、お客さんの中にも同じような経験をした方がたくさんいらっしゃると思うから、丁寧に慎重に演じないといけないと思っていました。
このような重い題材を、キャラメルボックスで扱うことは挑戦だと思うし、お客さんがどんな風に受け止めてくださるのか、それ以前に、本当にちゃんと届くのか。
難しいことをするのは、楽しみでもあり、でも、ちょっと不安もあり。
お客さんに楽しんでいただくことが1番大切だから、リアルだけど、ファンタジーであり、エンターテイメントであることを常に考えていました。
お客さんに親切に、見やすいように、ということを1番に考えながら演じていた気がします。
ぐちゃぐちゃにドロドロにシリアスに没頭するのは簡単だけど。
嘘があっては絶対にいけない役だけど、映像ではなく、これは大きな劇場で生で見るエンターテイメントなのだから。
明音からぽんっと切り替えて、童話の中のアルネを演じたり、事故の前の回想シーンに入ったりという、本当だったら難しいところも、そのおかげで冷静でいられたので、より演じやすかったりもしました。
そういう部分も含めて、本当に素晴らしい脚本なんだと思います。
この明音と共に過ごした1ヶ月と10日は、演劇について、演劇のもつ力について考えることのできた時間でした。
本当にとても楽しかったです。


この作品に流れているテーマ、自己犠牲について。
観てくださった方と共に、登場人物たちと共に、劇場でみんなで考えていた気がします。
自分で考えろ。
わからないからって何もしないでどうする。
私も、これから先もたくさん、自分で考えたいと思います。


答えはどこにもないけど。
恭一くんがとっさに動けたこと。
そのことによって、子供の命を救っただけでなく、その場で動けなかった明音のことも救ったのではないかな、と私は思います。
自己犠牲でのこされた、というのももちろんだし、愛する人をのこしてはいけないけど。
恭一くんは動けて自分だけなぜ動けなかったのだろうと私はずっと苦しかった。
だから、明音はそれを自己犠牲だなんて言って、逃げたりしたのかもしれない。
動けてしまった人と動けなかった自分。
自分が動けば、恭一くんを助けられたのではないだろうか。
もしも、あのとき…と考えたら、小学校の教師なんて当然辞めたと思う。
もうできないと思う。
恐怖に打ち勝ち、早く動けた恭一くんのすごさ。
明音はこれから先、たくさんの子供たちのことを考えて、恭一くんの分も大事に命をつかっていくのだと思います。
恭一くんの分も、宮沢賢治のことを1人でも多くの子供たちに伝えると思います。
岩手に行って、お父さんもお兄さんも失ってしまった亮二くんのそれでも悩みながら、力強く生きてる姿を見て、自分も生きなくちゃと思えたから。
ずっと孤独で弟を育てることだけを頑張ってた恭一くんをお父さんにしてあげられなかったというのが本当に本当に残念で心残りだけれど。


たった8人の座組で、みんなで一生懸命、この作品のことを考えて、いつも気持ちが1つでした。
とてもとても幸せな公演でした。
『太陽の棘』に出逢えたこと。
星宮明音を演じさせていただけたこと。
明音として、永沢恭一くん、弟の亮二くん、お姉ちゃん夫婦、新平くん、はるかちゃん、富家さんに出逢えたこと。
アルネとして、ノルデやフーケーボー大博士に出逢えたこと。
ぐらぐらと揺れる太陽に飛び込んだノルデの後ろ姿や、
最後に見た、岩手の星蛍。
手紙の言葉、賢治の言葉。
ずっと忘れません。
書いてくださった、ほさかようさん、一緒にこの世界を作り上げた、共演者、スタッフのみなさん、
どうもありがとうございました。
私は『太陽の棘』という作品が大好きです。
そして、劇場で一緒に悩み考えてくださったみなさん、本当に本当にありがとうございました。