『無伴奏ソナタ』♪

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『無伴奏ソナタ』終わりました。
終わってから1週間が経ちました。
とびとびで本番をやりながらツアーをまわってたので、終わった直後は、本当に終わってしまったのだろうかと、実感がぼんやりとしかなかったのですが、
今は、本番をやってた幸せな時間は遠い彼方……。


2年前に出逢った作品の再演でした。
2年前、台本からお芝居に立ち上げるのが本当に本当に大変だった作品です。
シュガーの歌のメロディーが出来てきて歌詞をひとつひとつ音符に当てはめながらみんなで覚えたり、
覚えてすぐに稽古後にレコーディングがあったり、
演出のありちゃんと共に、パフォーマンスの赤い布と格闘したり、
英語の歌の発音をみんなで練習したり、ギターのコードを覚えたり、
台本の台詞と音楽をどのように融合していけばいいか、1シーンを1週間くらいみんなで悩んだり、
あまりに大変で本番10日ほど前にキャストがひとりリタイアしたり、
ラストシーン、どんな風にするか、みんなで悩んだり、いろいろ試したり。
今の形になったのは役者9人とありちゃんの知恵の結晶。
あの原作がこのような形になったのは奇跡のような気がします。
本当はメンバーが違うかもしれなかった再演なのですが、
私たち10人はこれを再演するときには当然同じメンバーでと強く思いました。
みんなの小さな積み重ねでやっとこさ形になってできた舞台だから。
再演も作った人たちが大切に演じたい作品だったのです。
だから、同じメンバーが集まったときはほんとに嬉しかったです。
ものすごぉーーく。
みんなでピアノの前に集まって、2年ぶりにシュガーの歌を歌っただけで泣きそうでした。
それくらいパワーのある作品なのです。
初演では、どうなるかわからないから用意できなかった衣裳のプランなども、今回は妥協することなくやれました。
ラストシーンの喝采の衣裳なんて、おかげで初演とは気持ちがぜんぜん違いました。
絶対に変えようねって、前田あやちゃんがプランから手伝ってくれました。
パフォーマンスシーンも8人のウォッチャーのシーンになったり。
リズムパフォーマンスも石川さんが新たに考えて楽しいものになりました。
前回はそんな時間はなかったけど今回は歌の先生にも見ていただきました。
再演だけど、ひとつひとつ丁寧に見直し、作り直すことができてとてもとても稽古が楽しかったです。


東京公演が終わったときには公演期間が短くて、
観たいと言ってくださっても観られない方がたくさんいて、ものすごく悔しかったんです。
でも、その後、グリーティングシアターということで、
三重、名古屋、大阪、新潟、岐阜、そして貸切公演もありました。
その、どのステージもほんとに素敵で……。
共演者たちも、スタッフさんみんなも、
そしてなによりどの会場のお客さまも、ほんとにほんとに素敵で、
ああ、こんな想いを味わえるんだから、もう何もいらないって思いました。
これが最後でもいい。
すべてのステージが最後にふさわしい素晴らしい舞台だったと。


この作品は、題材が暗いから、みんなが好きな作品ではないと思います。
でも、語り手がシーンごとで変わっていき、バトンを渡しながら、
みんなで力を合わせていろんな役を演じ、
みんなで忙しく転換して、着替えて、
みんなでみんなで作る演劇的なところが、私はとても好きです。
そしてラストシーン、劇場全体が無伴奏ソナタの世界になる。
絶対に演劇でないとできないこと。
この作品は私の1番好きな舞台になりました。


私は死ぬまで忘れないでしょう。
クリスチャンが初めて楽器を弾いてくれたときの笑顔も、
かぼちゃのスープを飲んでくれたときの言葉も、
別れるときの顔も。
ポールが、僕の友達なんだといったときの苦しい顔も、
ピアノを弾くクリスの綺麗な手も、
シュガーの美しい歌声も、
シュガーの歌を歌うみんなの幸せな笑顔も、
ウォッチャーの悲しい横顔も。
みんな、みんな、私は忘れません。


この舞台に出逢わせてくれた演劇の神様に感謝します。
応援してくださったみなさま、
ご来場くださり一緒に無伴奏ソナタを作ってくださったみなさま、
本当に本当にありがとうございました。


私はしあわせです。
私はとてもしあわせです。