悪夢



ども、うなされた岡田達也です。







『サンタクロースが歌ってくれた』の全日程が終了し

翌日には違う舞台の本番を迎えた。

タイトルは忘れてしまったが

とにかく「迫り来る危険からの脱出劇」だった。

『サンタ〜』の本番中にも台本は読み込んでいた。

だから細かい動きまでは分からなくとも

セリフは完璧に入っているつもりだった。



劇場に着いた。

いや、劇場ではなくそこは豊島園(遊園地)のプールだった。

演出家Sさんの

「リハーサルをやりましょう!」

という声に合わせて

スタッフ、役者が配置についた。

最初のセリフは僕である。

緊張の面持ちで発声した。

「○×#$%&●△◎」



「ストップ!ストップ!」

演出家の怒声が響く。

「岡田さん、それ古い台本だよ!」



え?

古い台本?

ってことは新しい台本があるの?

もらってないよ、そんなの……。

「あのー、スミマセン、新しいのってもらってないんですけど……」

本番と重なっていたためあまり稽古に参加していない自分は弱腰で訴えた。

若いスタッフの子が

「しょうがないなー」

という顔をしながら新しい台本を渡してくれた。

目を通した。

愕然とした。

出だしのセリフは1行だった。

それが30行の長セリフに変わっている。



「無理です!無理です!

初っぱなからこんなに変わっていて

これを全部覚えて19時開演に間に合わせるなんてできません!」

僕は必死で訴えた。

さすがにこの分量はどうにもならない。



演出家は悪魔のような顔でこちらを見ている。

「いや、やってもらわなくちゃ困るんだよ!

あのね、君がちゃんと喋らないとね……」



そりゃそうだろう。

そんなことは言われなくても分かる。



「君がちゃんと喋らないとね……。

足下見てごらん!

どんどん増水してね

君は沈むよ」



わーーーーーーーっ!

どういうことだよっ!

よく見れば足下に水が流れてきている!

何故、プールなのか分からなかったが

そういうことだったのか!

脱出劇ってシナリオじゃなくて俳優が実際に脱出するって事なのか!





そこで目が覚めた。



『サンタクロースが歌ってくれた』

10daysまで残り7days。

追い込まれている証だろうか?







では、また。