ムスカリ

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雪子の部屋。

トイレから嘔吐の声。しばらくして水の流れる音。出てきてカッターを手にする。


居酒屋。

トマトジュースがコップに注がれる。

OFFヒギリ「雨だから客来ないですね。」
OFF店長「お前客引き行って来い。」
OFFヒギリ「マジっすか!」


花屋の店先。遠藤との出会い。

傘をさして花屋の前を通りかかる。1つの花に目を奪われる雪子。その花にゆっくりと近づく。しばらくして、店内から遠藤が出てくる。

遠藤「ムスカリって言うんです。その花。」
雪子「あっ、すみません。」
遠藤「百合科の多年草。」
雪子「へぇ〜。かわいい花ですね。」
遠藤「花言葉は明るい未来。」

雪子の表情が暗くなる。遠藤それを感じ取り。

遠藤「良かったら、この花もらっていただけませんか?」
雪子「えっ、でも…」
遠藤「もう、花も開いちゃったし、売り物にならないから。もらっていただけると嬉しいです。」
雪子、下を向いたまま黙っている。
遠藤「花って、傷ついている人を見ると放っておけないんですよね。」
雪子「えっ…」
遠藤「花にだってちゃんと心があるんですよ。花は自分を必要としてくれる人を待って居るんです。」
雪子「……。」
遠藤「花は人の心をいやしてくれます。前向きにもしてくれます。」
雪子、少し表情を和らげて。
雪子「じゃぁ、この花買います。」
遠藤「いや、もう、売り物にならないから。」
雪子「でも…」
遠藤「じゃぁ、今度、僕とデーとして下さい。」

雪子、ドン引きな表情。それを感じ取る遠藤。

遠藤「冗談ですよ!」
遠藤、雪子に無理矢理花を押しつけ。店内に戻る。
遠藤「また来て下さい。」

雪子の手にしたムスカリにカメラが寄る。



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