フェイクな私?〜連載第3回

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湯山 野宮さんは歌でもそうだけど、聴いている人の気持ちを代弁しないですよね。野宮さんの歌を聴いても、人生を応援されないし、きっと勇気づけられたり泣いたりはしない(笑)。


野宮 たしかにピチカート・ファイヴのときも含めてリサイタルをやる以前は、そんなことは一度もなかった。でも、今はそうでもなくて。リサイタルをスタートさせてからはじめて、私は音楽を通して人に勇気を与えたり、感動を与えたり、ってことを体験したの。リサイタルのステージが終わると、何人かの女の人が涙を流してた。ちょっとそれには予想外だった。きっとリサイタルのステージには、今までの野宮真貴にはないパワーが込められてるんだと思う。


湯山 まあ、アーティストは舞台の上で聞き手やつくり手を現場で裏切っていくわけですからね。つくり手はそういう風に発信していないんだけど、観客は舞台になんらかの心のあり方を投影して、自分の物語をつくっていく作用があったんじゃないですかね。普通のライヴとかコンサートではステージの上からガンガンメッセージを発信するわけじゃない? 「もっと生きろ」とか、言葉に限らずオーディエンスと共感するように、どんどんサービスしていく。でもリサイタルでは逆に観客が野宮さんの方に向かっていって、「自分の女の物語」をつくるんですかね。リサイタル自体は「フェイク感」がコンセプトなんだけど、野宮さんが実際に歌手として舞台に立ってみると、そうじゃない部分が出てくるのがすごくおもしろい。それは歌手の実力でしょう。その音楽面では、今回の音楽監督はダブルネームですね。前回に続いて菊地成孔さんと……。


野宮 FUTONというタイのバンドの紅一点、日本人メンバーのmomokomotion。彼女はFUTONを脱退してソロになり、最近日本に戻ってきた。実は FUTONの時代から私のアルバムに曲を書いてもらってた。それで、今回の音楽監督は菊地さんとmomokoちゃんとで、リサイタルのためだけにユニットを組んで、名前が「キクチモモコ」(笑)。


湯山「ラ・ムー」な感じでいいよね(笑)。エレクトロだし。今回の衣装もカワイイよね。


野宮 丸山敬太さんからはずっと「リサイタルの衣装をやりたい」と言ってもらってたんだけど、去年のリサイタルはちょっとダークな世界観だったから岩谷(俊和)くんにお願いして。でも今回のテーマは敬太さんの世界観にピッタリだと思うし、オードリー・ヘプバーンやブリジット・バルドーといった50年代の女優さんも演じるから、是非やってもらいたかったの。今敬太さんにはリサイタルのためだけに新しいドレスをつくってもらっていて、その完成がすごく楽しみなんだよね。


湯山 野宮さんの魅力を知り尽くしている人だからね。敬太さんの作家としての理想とあんまりブレてないんじゃないかな。あと、野宮真貴という存在に、デザイナーが燃えるんでしょうね。前回の衣装をお願いしたDRESS CAMPの岩谷(俊和)くんも必要以上に燃えていただいて大感謝だった(笑)。そうやってデザイナーなりミュージシャンなり才能を自発的に集めて組んでやっているから、やっていることは、ゼロ年代最後のプチ・バレエ・リュッス、ロシアバレエ団(笑)。

※写真は舞台演出の打ち合わせをする野宮さん。意匠は? メイクは? それは見てのお楽しみ!

ニュース♪

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続々、ウェブ・サイトに登場してます


DIG TOKYOにて、テイ・トウワさんとの楽しい対談が掲載。全4回。
http://www.digtokyo.com/

OPENERSにて、野宮真貴×菊地成孔×湯山玲子の鼎談がこちらも4回にわたって掲載。
http://openers.jp/

リサイタル特設サイトも是非チェックしてね

http://www.missmakinomiya.com/spec...

ワンダーナイト〜連載第2回

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野宮 今回のリサイタルは『Beautiful People』というタイトルで、私が20世紀の代表的なファッション・アイコン7人を演じていく。


湯山 オードリー・ヘプバーン、ブリジット・バルドー、パメラ・デ・バレス、グレース・ケリー、ゼルダ・フィッツェジェラルド、イーディ・セジウィック、それから架空の存在だけれど映画『ブレードランナー』のレイチェル。おしゃれな女性って世の中、多いんだけど、大概年をとってくると、もはや外見に自分の内面が出てきちゃうわけですよ。これは、もちろん素晴らしいとされていることなんだけれど、一面、つまらなくもある。だってさ、私がいかにバルドーやヘプバーンを狙っても、そこには湯山しかいないんだもの。そりゃ、当たり前だけどさ(笑)。ファッションでトランスフォームできなくなってくる。だけど野宮さんはいくら年齢を重ねて内面が成熟しても、まだそれができる。だから「野宮さんはどんな服が似合うんですか?」とかいろんな女性からよく質問がくるけど、なんでも似合うんですよ。本当に似合わない服がない。それから、今回のリサイタルは、ファッションが、映画とも音楽ともかかわりがあったんだよね。その三つ巴の幸福な時代は、もうないじゃないですか。


野宮 うん。


湯山 パメラ・デ・バレスなんて稀代のグルーピーなんだけど、本当にアーティストたちに大きな影響を与えた。彼女の存在がロックそのものとも言える。やっぱり野宮さんも私も80年代のニュー・ウェイブを体験している。ファッションと文化と音楽が大きくかかわりあった時期にオンタイムに青春を過ごしていて、その頃の息吹や空気を知っている証言者でもありますね。若いアーティストで夢のような豪華な舞台をつくる人はいるけれど、、その装飾の意味が違うんですよ。


野宮 昔はその人のファッションを見たらどんな音楽を聴いているかすぐに分かったけど、いまはそういうのがないよね。原宿でパンクの格好をしている子たちも、実はJ-POPを聴いているとか。パンクがコーディネイトのひとつでしかないから、音楽とは結びついていない。昔から私や湯山さんはすごく音楽好きでしょ? まだロックを聴く女の子もあまりいなかった時代から、珍しくロックを聴いてた。あの頃はファッション誌じゃなくて、音楽雑誌でミュージシャンの着こなしを真似してたからね。


湯山 私がクイーンの2回目の来日公演に行ったのが中学生で、その時のグルーピーだったお姉様方はすっごいすてきだったね。女子美あたりの人なんだろうけど、手づくりの舞台衣装もびっくり、みたいなブラウスを着て、今のビジュアル系に繋がるフルメイク。その頃はグラム・ロックの感じもあったから、ヒールの高い靴を履いていて。すごかったよね、グルーピーのキレイさは。


野宮 うん。そういう人に憧れたね。


湯山 憧れたな。化粧品で言うと……。


野宮 BIBA。


湯山 そう、BIBAが流行っていて(笑)。当時は画期的だった。あの、オープンな豪華な化粧台みたいなディスプレイは!


野宮 とにかく、今みたいにモノがなかったんだよね(笑)。黒い口紅がほしいと思ってもBIBAぐらいしかない。他の日本のメーカーは絶対つくっていなかったからね。70年代後半ニューウエーブの時代になって、ミニスカートを履きたくても、古着屋「赤富士」で買うしかない。情報もいまみたいにないし、そういうのを探したりするのが大変だったけど、楽しかったよね。MTV以前だから、ミュージシャンが動いている映像なんてほとんど見たことがなかったんだから(笑)。


湯山 そう!


野宮 私、フィルム・コンサートに行ってましたよ。


湯山&野宮 ね〜ぇ(笑)。


野宮 音をヘッドフォンで聴きながら、アルバム・ジャケットを眺めて、ひたすら想像する。


湯山 そうそうそう!


野宮 そんな時代(爆笑)。


※写真は森本容子さん(Y.M.D.O)プレゼンツの「東京ワンダーナイトVol.2」のひとこま。冨沢ノボルさん制作の巨大ウィッグをつけてDJモボ・モガで出演。

Beautiful Peopleへの道〜連載開始! 

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湯山 野宮真貴リサイタルvol.3『Beautiful People』ももうすぐ開催。この間はプロモーションで新宿二丁目をまわりました。おもしろかったねぇ〜。


野宮 友人のヴィヴィアン(佐藤)にコーディネイトはすべてお任せしたから、2丁目の中でも選りすぐりのお店を10軒ぐらいブッキングしてくれて、一緒にパレードしてくれるドラァグ・クイーンのみんなを集めてもらった! とてもゴージャスなパレードになったよね。私も二丁目はたまに行くけど、昔から通ってるのは「KID’S」ぐらいだったから、すごく面白かったんだよね。


湯山 盛り上がったよね。「KID’S」のママは野宮さんがすごく好きで、以前から「うちでやって」みたいな話があったのが実現したし、東京のクラブシーンでは実は伝説的な存在でもある「ニューサザエ」にも行ったよね。あそこは、みなさん、店主がお元気なうちに絶対行ったほうがいい!


野宮 70歳前後のおじさん二人が、革靴にソックスにジョギング・パンツ、上がTシャツ、みたいなスタイルでユーロ・ビートに合わせて踊ってて(笑)。


湯山 その次に行った「九州男」という大バコもすごかった。ガチムチ系のゲイがいっぱいいてもの凄い熱気。一番ホットなヤツらのミーティング・スポットというか、ワタシゃ男子校の学食に紛れ込んだかと思った(笑)。店の端っこにはカラオケがあって、誰かが歌っているんだけど、喧噪でよく聞こえないの。


野宮 すごいよね。行ったその日は、「タンクトップ半額デイ」だったし(笑)。


湯山 そうそう(笑)。最初は「お呼びじゃない」感じがあったけど、全然そうじゃなくて、彼らの中身は完全にギャルなんだもん。隣に野宮さんのファンがいて、「うっそー、信じらんなーい」なんて女子高生みたいにキャーキャー、激踊りしていた。


野宮 誰かがカラオケで歌ってたけど、結局私も歌わなきゃいけないことになっちゃって(笑)。


湯山 最初はご挨拶だけのはずだったのにね(笑)。それで野宮さん、歌っていたら店の人がボリュームを上げてスピーカーが飛んじゃって。


野宮 でもマイクだけは生きてたから、アカペラで「東京は夜の七時」を歌って、それが妙に盛り上がった(笑)。


湯山 野宮さんはピチカート・ファイヴ時代から、世界中の都市のカッティング・エッジなゲイ・ピープルのアイコンだから、二丁目と親和性が非常に高い(笑)。過去2回のリサイタルを見てみても、やっぱり着飾ってくるゲイカップルがすごく多いし。野宮さんは「女の女装」みたいに、コスプレで違う女を演じるじゃないですか。ゲイ・カルチャーの中にはもともとフェイク感みたいなものがあるでしょう。それこそ、ハウス・ミュージックのシーンを生んだゲイは、宿命的に自分の肉体や存在を夜の世界でトランスフォームするような感覚がある。それを野宮さんの中に見ているんじゃないかと私は思うけどね。


野宮 大体、2丁目の方々は松田聖子かユーミンか、マドンナ、みたいな。あとは小林幸子さんだったりの、ああいう……。


湯山 そう、過剰な方面ね。盛って、盛って盛り上がる。


野宮 そこになぜか私も入ってきちゃう(笑)。


湯山 なんだろうね、フェイク感と二次性かな。野宮さんをはじめとして、みんな絵空事の人たちだよね。歌っている世界も、内面的な心情とかリアルではなくて絵空事。観客は”女の絵空事”に遊ぶというか。いまは世の中に随分とエンターテインメントが多くて、華やかな舞台も多いけれど、実際のところは人生応援歌を外側だけ、きれいにパッケージしただけ。「行ったらそこだけ別世界」というような性質が劇場にはあるわけで。そういう劇場の性質に戻った感じをやりたいですね。

パレード!

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私のリサイタル〈Beautiful People〉のプレイベントとして先週末の22日(土)に新宿二丁目でスペシャルなパレードをしました。


この日の顛末もふくめ、湯山玲子さんとの対談をちかぢかアップします。カミングスーン!


リサイタルの詳しい情報はコチラ♪

Photo:Naomi Kinoshita