小咄 ニィニィ

私の兄は病に侵されていました。


幼い頃の記憶なんで曖昧ですが、病室に入るにもマスクやら消毒やらで大変だったのを覚えています。


何でニィニィは外に出ないの



あどけなくも残酷な質問。それを両親や兄本人にもぶつけていたことを、今でもたまに思い出す度に切なくなるのです。


ある日のこと。両親はお医者さんと別室に居たので、僕は兄と病室で二人きり。


いま思えば兄はもうその頃は末期だったんでしょう。苦しそうに筆談でコミュニケーションを取ってましたが、それすらもままならないほど兄は衰弱してたのです。


ふと気づくと…兄は筆談用の紙を渡そうと手を伸ばしていて、絵本を見ていた僕を呼ぼうと息苦しそうに呼吸を荒げていました。


兄の顔色は紫色で幼い僕にも一大事であることが分かったので、すぐに教えられていたナースコールのボタンを押し、ずっと兄に声をかけ続けました。


ニィニィ!ニィニィ!


僕に渡した紙を震えながら、弱々しく指差し続ける兄。


『ちゃんとパパとママに渡してくれ、頼んだよ』


そう言ってるように感じた僕は兄が居なくなりそうな気がして、涙が止まりませんでした。


駆けつけてきた医師や看護士が処置を施す中、兄の名を叫ぶ母の声。


兄の手をしっかりと両手で握ったまま、祈るようにうなだれる父。


僕は兄に群がる大人たちに圧倒されて部屋に隅に追いやられ、そこで初めて握り締めてくしゃくしゃになった紙を広げて見たのです。


兄が最後に力を振り絞って伝えたかったメッセージ。それは家族に託した想い。


そこには


「点滴のチューブ踏んでるから足をどけろ!」


と書いてありました




※この物語はフィクションです


そして明日は



お笑い無法地帯15

7月31日(土)
17時45分開場
18時開演
阿佐ヶ谷産業商工会館

出演/冷蔵庫マン/カズミファイブ/ハイエナ/くらげライダー/中央線withyou/ヨージ/マナティ/レオちゃん/虹の黄昏/モダンタイムス/ミサイル/デコボコ団/じゅんご/まぁこ/ミスアルプス/マリア/サジタリ/ロックンロールコメディショー/脳みそ夫/エーデルワイス/めっちぇん/ジェシカ/おひさまロケット/猫柳ロミオ

前売1000円
当日1200円

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