木曜日『なっちん write a play 』

  • 夏秋佳代子 公式ブログ/木曜日『なっちん write a play 』 画像1
先週の続きです


で、本当に今更で申し訳ないのですが・・・
PCでご覧頂いている方でも、結構長いので大変ですよね?
ましてや、携帯の方なんてもっと大変ですよね?

読んで下さっている方々、本当にすみません・・・。

そして、心からありがとうございます


次回の作品は、短いモノにしますね


では、先週からの続きです




部屋に残された美里。過去の記憶が蘇る。

そこは、とある孤児院。オルガンを弾いている美里。孤児院のお姉さん・橘さんと、美里の姉・美咲が、
いそいそとクリスマ会の準備をしている。奥には、中央にカラクリ時計、下手にはもみの木(クリスマスツリー)が置かれている。

橘: ねぇ、美咲ちゃん、今年は何お願いしたの?サンタさんに

美咲: 内緒

橘: あ、分かった!今流行のCDウォークマン?

美咲: ま、そんなとこかな

橘: いいなぁ〜、サンタさん、私のところにも来てほしいわ!どうせなら、真っ赤なお鼻のトナカイさんと白髭のおじいさんじゃなく、
白馬にのったチェッカーズみたいな王子様の方が嬉しいけど。

美咲:白馬には、7人も乗れませんよ〜!


美咲、橘、笑う。


美咲: お願いしてみたらどうですか?サンタさんって年齢関係なく、願ってる人のところにやってくるみたいですよ。

橘: 本当に?じゃぁ、一応、お願いしとこ!やっぱり、フミヤかなぁ〜!あ、美里ちゃん、はい、これ。(靴下を渡す)

美里: ?

橘: 前に言ってたでしょ?大きい靴下がないから、サンタさんが見つけてくれなかったって。今年は大丈夫よ!
こんなに大きい靴下だったら絶対見つけてくれるわよ。

美里: 橘さん・・・ありがとうございます。

美咲: すいません。ありがとうございます。よかったね、美里。

美里:(美咲を無視して出て行く)

美咲: ・・・。何かすいません。

橘: いえいえ、美里ちゃんもお年頃なのかしらねぇ〜。さ、準備しましょ!

美咲: はい。

とお菓子や料理を運んだり飾り付けをしている橘、美咲。その様子をこっそり見ている美里。
奥の方から男1、2の声が聞こえてくる。はっと我に返る美里。

男1:しかし、これ全部?終わらないな・・・。

男2:1年にこんなに忘れ物って溜まるんですね。すげー、見て下さいよ。これ、うわ、熱っ!うわぁ〜、すげーなこれ。

男1: むやみやたら触ったらヤケドするぞ。

男2: きっと、すっごい好きだったんでしょうね。この人。うわっ。熱っ。すげー


男1、2、何か持ってる風情で出てくる。目には見えないもの。


男2: 一ツ木さん、これ一人で運べるんですか?

男1: 毎年の事だから大丈夫だろ

男2: 毎年の事か・・・。きっと忘れ物をしてることすら忘れてる人もたくさんいるんでしょうね。

男1: 忘れたふりをしてる人もな。

男2: なるほど・・・忘れてしまいたい事や どうしようもない寂しさに 包まれた時に男は酒を飲むのでしょう(男1も一緒に熱唱) 飲んで 飲んで 飲まれて飲んで 飲んで


一ツ木が拍手しながら荷台を押して入ってくる。


男2: あ、お疲れ様です。

男1: 知ってる?この歌。

一ツ木:知ってますよ。親父がよく酔っ払ったら歌ってました。いい曲なんですよね〜。

男1: じゃ、一緒に、はい!


男1、一ツ木一緒に高らかに歌う。(飲み潰れて寝むるまで飲んで やがて男は静かに寝むるのでしょう 忘れてしまいたい事や どうしようもない悲し)


男2: ちょっと!ふざけてる場合ですか。間に合いませんよ。

一ツ木:ですよね。で、準備OKですか?

男1: バッチシ!

男2: えぇぇぇぇー!さっきまで宮本さんいなかったくせに!

男1: でも、バッチシなんだろ?

男2: そりゃ、頑張りましたもん、僕。

一ツ木:ま〜た宮本さん、あっちに行ってたんでしょ?

男1: (とぼけて書類をチェックしている)

一ツ木:大丈夫ですか?最近、チェック厳しくなってるらしいですよ。この前だって今井さん、見つかっっちゃってすぐに帰されたらしいですよ。オリオンに。

男1: 大丈夫、大丈夫。昔っから逃げ足だけは早かったんだから!

男2: 確かに・・・。

一ツ木:でも、年々多くなりますよね。忘れ物。僕、この世界にくるまでは気づかなかったんです。世の中、こんなにたくさんの大事なものを忘れて生きているって事に

男1: でも、そういう人たちがいるから、僕らの仕事があるわけだよ。皮肉だがね

一ツ木: 宮本さんは、忘れ物届けに行けたんですか?

男1: う〜ん。まだ見つけられなくてね。

男2: 見つけられないんじゃなくて、見つけたくないんでしょ?僕と離れ離れになるのが嫌で(笑う)

一ツ木: 宮本さん、趣味悪っ!

男2: ちょっと!失礼じゃないですか!一ツ木さん!

男1: どうでもいいけど、間に合うの?油売ってて。

一ツ木:(時計を見て)うわっ!やばっ!急がなきゃ!ちょっと、佐々木っち借ります。


と奥の倉庫に男2を連れて行く。男1、続きを歌いながら後を追う


続きは来週木曜日です