「美味しい」

自分の作ったお料理に言ってもらえると、嬉しい。

そんな瞬間があるたびに、実はチクンと思い出す。

母に言ってしまった言葉。

「こんなのマズくて食べられない」

小学4年生くらいだったと思います。
キライなおかずだけど、どうしても食べられないというのではなかった。
何か機嫌が悪くて、八つ当たりな面もあったのです。

それにしても、あの言葉。

母が、怒るというより、言葉を失ったような表情になって。

あの瞬間の記憶が、今も蘇ります。
テーブルの席を立って、ソファに寝転んで、悪いことをしていると感じながら、軌道修正出来なくて、憎たらしい行動を続ける私の姿…。

調理実習など自分でお料理をする機会が増えて、マズイなんて言い放たれたらどんなにツラいか、分かるようになって、苦手なおかずでも、そんな風に言わなくなった気がします。

喜んで欲しくて作った時の「美味しい」の一言は、格別。
本当に。