夏の影

都心の細い裏道で影を捜しながら歩いていると、
私の数センチ隣を自転車の少年が追い越して行った。

帽子もかぶらない彼の少し長い髪の毛と、
自転車のスポークに強い日差しが細密画のように点滅する。

少年のスピードに夏の影はまだ、追いつかない。