紅白歌合戦!?

オーケストラ合わせについて書こうと思ったはずが子ども達のことばかり書いてしまったので(笑)、吉岡弘行さん作曲「君と見る夢」の音楽について。

新作オペラのオーケストラ合わせというのは、特別にワクワクします。それは作曲家ご本人にとっても同じかもしれません。

オペラ作曲家の仕事というのは、スゴすぎて想像もつきませんが、台本を手に舞台をイメージして、頭の中で新しい音楽を鳴らす。そしてそれを分解して、どの音をどの楽器が担当するのか、オーケストラ・スコアに書き込んでいくわけですよね。

私なんかはスコアを見ても縦に長すぎていっぺんに読めないし(あとハ音記号に弱い…)、なかなか音楽が流れてきませんが(とほほ)、新作であれば、オーケストラと歌が初めて一緒に演奏するオーケストラ合わせは、作曲家にとっても彼の頭の中だけにあった音楽が初めて形になる瞬間です。

というわけで、一昨日のオーケストラ合わせにはもちろん作曲者の吉岡さんも同席なさっていました。

今回の台本を書かれた演出家の高木達さんは「おもちゃ箱をひっくり返したような芝居」とおっしゃっていましたが、音楽もそれに合わせた、宝石箱をひっくり返したような感じに仕上がっています。

というのは、私たちが日ごろから意識せずとも触れている、様々な国にルーツを持つ音楽の要素がたくさん詰め込まれているのです。クラシックはもちろん、ジャズや歌謡曲、演歌やフォークソング、インド音楽?まで。

お客様に「なんか高尚なことをやっているようだけど、正直言ってよく分からん。あとで感想を聞かれたら何て言おう…」とか居心地の悪い思いをさせる瞬間は決してないはずです。

昨年、池辺晋一郎さんのやはり新作「高野聖」に参加したときは「大河ドラマのような音楽だ」と思いましたが、「君と見る夢」の音楽は「紅白歌合戦みたいな」音楽。伝わるかなぁ。

紅白と言っても、昭和の、出てくる歌出てくる歌ぜんぶ家族みんなで口ずさめたような時代の(笑)。幕切れの大合唱「さぁ始めようこの街から」なんかは本当に「ほたるの光」みたいで(いやもちろん旋律は全然違いますよ、雰囲気が)、思わず「空からキラキラ降らしちゃいましょう」と演出家に提案してしまったくらいです。

劇場を出る時には、誰もがどこか気に入った場面の歌を口ずさんでいる、そんなオペラになったら最高です。3/8、18時半、池袋の東京芸術劇場へ是非!