君と見る夢

もう一つ、新しいオペラが始動しました。来年3月8・9日に公演予定のオペラ、吉岡弘行作曲「君と見る夢」。豊島区ととしま未来文化財団による新作です。

やっぱりまた来年も「新作」に手を染める…、いや関わらせていただく運びとなりました。新作と言っても、今年の「高野聖」とはずいぶん趣きの異なる作品になりそうです。

デパートに勤めるちょっと気弱な主人公の雅夫と、お嬢さん育ちの恋人・和美が、いろいろな試練を乗り越えて結ばれるまでを描く物語。私は和美を演じます。

昨日は、この公演の指揮者、坂本和彦先生との初めての音楽稽古でした。マエストロ・坂本は、私の藤原歌劇団研究生時代の恩師で、「夕鶴」でデビューした時のマエストロでもあります。

10年ぶり?の再会となった昨日の音楽稽古、坂本先生がおっしゃっていたのは、「芸術性の高さを追求する、言ってみれば聴衆にとっては『難解な』オペラもやっていかなければならない。でも『君と見る夢』でやりたいのはそういうことじゃない。何の予備知識もない、オペラを初めて見るお客様が肩の力を抜いて単純に楽しめる作品を作りたい」ということ。

芸術性を追求すれば難解になるのか、芸術性が高くてかつ分かりやすい、というのが一番いいオペラなのではないか?とも思いますが、答えは出ませんね。いやそもそも芸術性とは?「分かりやすい」「分かりにくい」の基準も人それぞれだし。

ただ、一つだけ言えるのは、日本のオペラの歴史はまだ浅いということ。古典派やロマン派の時代の日本オペラというのは存在しないわけで、創成期からすでに、20世紀の無調音楽の影響を受けています。

「君と見る夢」の音楽には、どことなく懐かしいような、美しいメロディーが溢れています。そのあたりが作曲家の意図した「分かりやすさ、親しみやすさ」のポイントかもしれません。

親しみやすいといえばチケット代も。なんとオペラとしては破格の4,000円。ブラボー!豊島区。来年3月8・9日(私は8日に出演します)、池袋の東京芸術劇場でお待ちしていまーす。

さて、今は宮城県岩沼市へ移動中。明日、「第九」です。お近くの方は是非、15時に岩沼市民会館にいらしてくださいね!