コッツェ・ホリック

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コッツェというのはイタリア語でムール貝のことです。夏のイタリアでは(きっとイタリアだけでなく南フランスとかギリシャとか、地中海沿岸ではみんなそうかもしれません。スペインではあまり見なかったなぁ)本当によくムール貝を食べます。

ムール貝という貝、おそらく日本の近海では取れないので、日本ではあまり食べませんよね。たまにグラタンみたいに加工した冷凍食品がスーパーに売られていますが、生はほとんど見かけません。

あとはレストランで「スパゲッティ・ペスカトーレ」とか「ブイヤベース」とか「シーフードパエリア」とかいうメニューを注文すると、気持ち程度のっかってきます。外国風の雰囲気を演出してくれますが、大しておいしくはありませんよね。

地中海では、それこそ掃いて捨てるほどこの貝が取れるみたいです。私が住んでいたのが漁師町だったせいもあるかもしれないけど、そこらへんのスーパーで1キロ5ユーロ(まぁ半分以上は殻だけど)ぐらいで買えます。

そして、おいしいんですよね。何と説明すればいいでしょうか、アサリより身が大きくて肉厚で、ハマグリより柔らかく、ぷにゅっとして中がトロリとする食感は小粒の牡蠣に似ているかもしれません。そして、抜群に濃厚で香り高いダシがでます。

食べ方はおもに3通り。一番シンプルなのは、コッツェ・アッラ・マリナーラとかソテー・ディ・コッツェと呼ばれるメニューで、にんにくと白ワインで蒸したものです。それに胡椒などのスパイスを加えたものがコッツェ・ペパーテ、トマトを入れたらズッパ・ディ・コッツェ(コッツェのスープ)。つまりどれもほとんど同じです(笑)。

レストランでもこの3種類のコッツェ料理はほかのお魚料理より安いし、シンプルでおいしいので、今回の旅行中も私はコッツェ中毒なんじゃないかというほど、たくさん食べました。

たいていのお店では前菜としてメニューに載っていますが、セコンドにしたいと言えばパスタの後にも持ってきてくれます。「バケツ一杯」という感じの一瞬ビックリする量で出てきますが、大丈夫。大半は殻だから。それに、私に言わせるとコッツェを食べる醍醐味はむしろ汁にあります。

身を食べた後の殻をスプーン代わりにしてスープをすくって飲んだり、ちぎったパンをそおっと浸しておいて食べたり。ちょっと塩気が強いところがまた、これ以上白ワインに合う食べ物はないんじゃないかと思うくらいです。

…と、コッツェの素晴らしさを力説したところで日本ではなかなか手に入らず、コッツェ・ホリックになってしまった私は禁断症状に悩まされていますが、夏に地中海沿岸を旅行なさる機会があったら是非、食べてみてくださいね。