新型ガッチャン

  • 川越塔子 公式ブログ/新型ガッチャン 画像1
  • 川越塔子 公式ブログ/新型ガッチャン 画像2
イタリアの鉄道には改札というシステムがありません。だから切符を買わなくてもどんな電車にも乗れちゃいます。

そうさせないために、あるいはそういう輩から取る罰金が重要な収入源となっているため、電車に乗ると実にマメに「切符拝見」のおじさん(たまにお姉さんも)がまわってきます。

ユーロスターのような全席指定の電車はいいのですが、それ以外の電車だと、切符を持っているだけでは許してもらえません。何故なら改札を通らないので、同じ切符を何回も使えちゃうから。

というわけで、改札の代わり?となるのが写真の機械。差し込み口に切符を入れると、日付・時刻と駅名が「ガッチャン」と印刷される仕組みになっています。これが印刷されていないと、切符を持っていても不正乗車と見なされて罰金を取られます。緑色のが今回初めて見た新型、黄色が旧型です。

この通称「ガッチャン(いやイタリア人はそう呼ばないけど)」の旧型、それはそれは頻繁に壊れていました。切符を入れても無反応、とか「ガッチャン」と音はするのにインクが切れてて印刷が見えない、とか。

ガッチャンは駅のホームや切符売り場の近くなどに設置されていますが、壊れていたら別の機械を試し、また壊れていたら次を試し、大きな駅ならそのうち「当たり」のガッチャンに出会えますが、小さい駅だとガッチャンの数が少ないので「ガッチャンが壊れています!」と駅員さんに報告しに行かなければなりません。

電車の発車時刻がせまると、壊れてないガッチャンを探して走り回る乗客の姿が必ず見られます。「あそこのが動いてたよ」と誰かが教えてあげたりして。

私はイタリアに住み始めたばかりの頃、正常なガッチャンを見つけられなくて「壊れてます」と駅員さんに言う語学力もなくて、時間がきちゃったのでそのまま電車に乗ったら罰金を取られたことがあります。

それもなかなか謎で、最初罰金は50ユーロだったんだけど、向かいに座っていたおじいさんが「イタリア国鉄はこんな外国から来たルールも知らないお嬢さんから罰金を取るのか、嘆かわしい!」みたいな感じでくってかかったら25ユーロになりました(半額っていうところがまた適当…)。イタリアでは交渉次第で罰金もまけてもらえるのか、と思いました。

それ以来、交渉のためのイタリア語を一生懸命勉強し(笑)電車に乗る時は血眼になって正常なガッチャンを探しまくるようになった私でしたが、ある時田舎の駅でガッチャンが全部壊れていたので駅員さんに訴えたら、「ペンで日付と時間を書いといて」と言われました。それでいいのかい!

少しでも多く罰金を取るためにわざと壊れたままにしてあるんじゃないかという疑惑さえあった旧型ガッチャンですが、さすがに苦情が多くてイタリア国鉄も観念したようです。今回はいくつかの大きな駅には新型が導入されていました。やれやれ。

まぁ見た感じ新型で素敵だけど、何せイタリア人の作る機械ですから、何年かしたら旧型と同じ割合で壊れているかもしれませんけどね。