スカルペッタ・コル・パーネ

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昨夜、東京に帰ってきました。北京で念願のジャスミン茶も飲みました。初体験の中華航空は、思ったよりずっと快適でしたよ。ただ乗客の大半が中国人なので、何となくうかうかしていると置いていかれそうな(笑)飲み物やごはんをもらい損ねるんじゃないかというような雰囲気はあります。

さて、誕生日の翌日にローマで友人と遭遇して、一緒にものすごくおいしいトラットリアへごはんを食べに行ったのですが、その時の話。

ここのお店の名物はトンナレッリ・アイ・カーチョ・エ・ペーぺといって、手打ちの長いパスタにカーチョ(チーズ)とペーぺ(胡椒)をからめただけの、至極シンプルな一皿です。チーズはもちろんペコリーノ・ロマーノ。ゆで上がった熱々のパスタに「…こんなに?」という量のすりおろしたペコリーノをどさっとかけ、胡椒もかけてワシャワシャっとまぜて出してくれます。

言ってみれば、同じくローマでよく食べるカルボナーラから卵とパンチェッタを抜いたもの。…何か物足りないんじゃぁ?と、思いますよね。でもこんな単純な料理をお店の看板メニューにしているくらいですから、なかなかどうして絶品です。

もちろん私たちもこのパスタを注文しましたが、わりと着いてすぐでまだ胃がイタリアサイズになってなかったし(笑)その後のお肉料理も食べる気まんまんだったので、一人前を半分ずつに分けてもらうことにしました。

でき上がったパスタを運んできたアレッシオ君(この人はイタリア人には珍しく英語とフランス語がペラペラで、片言の日本語もできるので、外国人のお客が来るとそのテーブルを担当させられるみたいです)、私たちの目の前でパスタを二つのお皿に分けてくれ、もともとのお皿(とけたペコリーノがたっぷりついている)を「これはスカルペッタ・コル・パーネのためね」とウィンクしてテーブルに置いていってくれました。

スカルペッタ・コル・パーネ!「スカルペッタ」というのは小さい子どもの靴などの意味で、スカルペッタ・コル・パーネと言うと、お皿に残ったソースをパンで拭って食べること。

聞くところによるとフランスなんかでは、シェフに敬意を表す意味でこれをするのはむしろ良いことみたいです(よね?)が、イタリアでは言葉が示すとおり(パンで踏みつける、というような感じ)お行儀の悪いこと、とされています。

だから高級なリストランテ(あまり行ったことないから知らないけど)では誰もしないでしょうが、庶民的なトラットリアでは「お行儀悪いけどおいしいからやっちゃうよねー」というような空気が流れているので、そう白い目で見られることもありません。

とは言え。お店の人から積極的に提案されたのは初めてだったので、私と友人は思わず顔を見合わせ、「…Possiamo(いいの)?」と聞きました。そうしたらアレッシオ君、「DOVETE(しなきゃダメ)!!」と再びウィンク。笑ってしまいました。

お店の人に Dovete と言われちゃあしょうがないので、パスタを平らげた後、お皿に残ったペコリーノを心おきなく(友人と争うように)スカルペッタ・コル・パーネしてきれいに食べましたよ。なかなか幸せでした。

ちなみにローマのテスタッチョという地区にある、「DA FELICE(ダ・フェリーチェ)」というお店です。土曜日に行くとトリッパ(牛の胃袋?)の煮込みが食べられます。金曜日に行くと牛テールの煮込みが食べられます。私たちが行ったのは木曜日だったので、牛タンの煮込みとイタリア風メンチカツみたいなものを食べました。これもまたおいしかった!

いつも混んでいるので予約しないで行くと待たされるかもしれませんが、ローマにいらっしゃる機会があったらぜひ、お店公認スカルペッタ・コル・パーネ体験を。