秘密の結婚

  • 川越塔子 公式ブログ/秘密の結婚 画像1
気がつけば次のオペラの音楽稽古の初日が来週にせまっており、今週は焦って譜読みをする日々でした。

10月5日に初日を迎える予定の、チマローザ作曲「秘密の結婚」です。ボローニャの小金持ちのお家で繰り広げられる、言ってみればホームドラマ。

ジェロニモ家は商売に成功してお金持ちです。お父さんが次に欲しがっているのは爵位。二人の娘を何としても貴族と結婚させようとしています。

ところが妹のカロリーナはお父さんの会社の社員パオリーノと熱愛中。お父さんに話せば絶対反対されるので、なんと内緒で結婚してしまいました。

パオリーノの采配で、ジェロニモ家に念願のお婿さん(伯爵!)がやってきます。お姉さんのエリゼッタのお婿さんとなる人です。とりあえずお姉さんが貴族と結婚してくれれば、お父さんも妹の秘密の結婚を許してくれるかもしれないものね。

お父さんはもう大はしゃぎ。ですが、この伯爵、あろうことか妹のカロリーナに一目惚れしてしまうのです。姉ではなく妹と結婚させてくれるなら、ジェロニモ家の支払う持参金は半分でいい、と言い出したから大変。

お父さんが一瞬その話に乗りそうになったり、カロリーナとパオリーノは駆け落ちを企てたり、エリゼッタとフィダルマ叔母さんはカロリーナを家から追い出そうと画策したり、家中が大騒ぎになります。

ま、そこは18世紀イタリアのオペラ・ブッファですから、一日の終わりには結局、伯爵は予定通りエリゼッタと結ばれ、お父さんはカロリーナの秘密の結婚を許してくれて、大団円となります。

私は10年以上前に、藤原歌劇団の育成部の修了公演で妹のカロリーナを演じました。ほとんど初めてのオペラだったので、この作品には思い入れがあります。ちょっとした悔しさ?みたいたものも。

このオペラの主役は、と言えば、カロリーナとパオリーノのカップルです。でも、どちらもソプラノが演じるエリゼッタとカロリーナの姉妹、作品全体を見渡すと、どーうも姉のエリゼッタ役の方が「おいしい」気がして仕方なかったんですよね(笑)。

オペラの終盤に素晴らしいアリアがあるし、さらに大詰めには伯爵との丁々発止の、最高に楽しい二重唱もあります。だいたいこのオペラは「エリゼッタがめでたく結婚する一日」を描いているのであって、「エリゼッタの結婚」という題名にしちゃいたいくらいです。

そんなわけで、今回の公演のオーディションを受ける時、姉にするか妹にするか、激しく迷いました。最終的には、オーディションまでの短い時間でエリゼッタの大アリアを仕上げる自信がなかったのと、ソプラノなのに初めから主役以外の役で応募して、なんか「逃げた」感じになるのを避けたかったので(笑)妹のカロリーナで受けたのですが。

歌い終わって直後、オーディションの審査員だった指揮者と演出家から質問されました。「エリゼッタ役はやりたくないですか?」。な、なにー!「い、いえ、是非やりたいです。経験があるのはカロリーナだったのでカロリーナのアリアを歌いましたが、エリゼッタを演じてみたい気持ちは強くありマス!」必死で答えたりして。

…結果、エリゼッタ役でオファーをいただきました。念ずれば通ず!?いや、私の師匠曰く「それだけ歳とったってことでしょ」(笑)その通りです。

ともかく、念願の?お姉さん役を演じられる運びとなりました。少なくとも私はエリゼッタがこのオペラの主役と信じていますので、遠慮なく前へ出ていこうと思います(笑)。お楽しみに。

主催のミラマーレ・オペラの人気シリーズでもある、小劇場オペラです。もちろんオーケストラ伴奏の本物のオペラを、小劇場(オペラでは普通ありえない収容200人!)ならではの臨場感とチケットの安さ!で楽しんでいただけます。

ミラマーレ・オペラ小劇場シリーズ、チマローザ「秘密の結婚」
2012年10月5日(金)13:00
6日(土)15:00
7日(日)18:00
8日(月祝)17:30
@六行会ホール(東京・品川)
全席指定 7,500円

お問合せ・チケットお取扱い : NPO法人 ミラマーレ・オペラ
045-530-8350
http://www.miramare.jp/

チケットお取扱い : カンフェティ
0120-240-540