息を吸う、口を開ける

ティツィアーナ・ドゥカーティさんの公開レッスン、楽しく終了しました。

なんとティツィアーナが風邪をひいてしまい、レッスンの合間におこなわれる予定だったミニコンサートは中止になってしまいましたが、その分をカバーして余りある、熱のこもったレッスンでした。

彼女がどの受講生にも共通して、繰り返しアドバイスしていたのは、「息を吸う」ことと、「口を開ける」こと。

…あったり前じゃん、と、思いますよね?歌うんだから。でもこれが、なかなか奥深いわけです。

歌うための息を吸う、つまりいわゆる腹式呼吸ですが、名前からするとまるでお腹に息を入れるみたいなイメージですよね。でも実際は、息は肺にしか入りません。普段の呼吸では空気が入っていかない、肺の下の方まで使ってする呼吸が、腹式呼吸です

ティツィアーナ曰く、それをせずに歌う人があまりに多い。今日は受講生全員に自分の肋骨や横隔膜の動きを触らせ、受講生の息の吸い方も一人一人確認しながら、丁寧に呼吸法をアドバイスしていました。

音楽のフレーズが許す限り、時間をかけて息を吸うこと。肋骨が横にガバーンと開いて、横隔膜が柔らかい動きでググッと下に下がる。そうして胸郭のスペースを広げて、肺の下部に息を入れるわけですね。

一方「口を開ける」というのは、言い換えると下あごを柔らかく、自由にするという感じでしょうか。

これもまた、言うは易く行うは難し、の、私に言わせれば「究極のテクニック」です

声を出すことにおいては、プロであろうとアマチュアであろうと、皆何らかの技術的な問題を抱えています。口を開けられない(下あごが硬い)原因の多くはは、舌根に力が入っていたり、上あごにあるべきスペースができていなかったり。でもそれも、呼吸法やお腹の筋肉の使い方と密接につながっているので、一朝一夕にいきません。

でも今日、ティツィアーナがやらせていたのは、「四の五の言わずにとりあえず口を開けてみなさい」ということでした。そうして舌先を下の歯につけるようにすると、無理矢理にでも舌根が下がって声の通り道が広くなる。

舌根や上あごをあれこれ言わずにまず、鏡を見れば一目瞭然の口を開けてみてから直す、という方法もあるのだなぁ。見ていた私も目からうろこでした。さっそく明日から真似して練習してみよう。ぐふふ。

そんなこんなで、レッスンをそばで見ながらちゃっかり勉強もさせてもらった私ですが、自分が歌わない立場でレッスンを受ける生徒さんを見ていたら、「レッスンの受け方」についても発見がありました。

レッスン中、ティツィアーナは特に、自分が歌っている時と同じように(風邪をひいていなければ本当に歌って聞かせてくれるそうです)、生徒さんと一緒に呼吸し、それぞれの役柄を演じてくれます。

同じソプラノの私からするとよだれが出そうな(失礼)、ぜーんぶ盗みたい、プリマドンナの表情や呼吸や表情や台詞まわしを、すぐそばでつぶさに見られるわけですね

でも。受講生の皆さんはほとんどティツィアーナの方を見ない。緊張とか、少し恥ずかしいとか、楽譜を見ないと間違えてしまいそうとか、レッスンを受ける立場になってみれば「あるあるー!」な理由はたくさんありますが、今日は勝手に「うわっ、今のティツィアーナの表情、見てなかったの!もったいないー!」とたびたび思ってしまいました。

私も今まで自分が受けてきたレッスンでは、大事なことをたくさん見落としてきたんだろうなぁ。自分が歌うとなると、誰でも多かれ少なかれ、まわりが見えなくなりますよね。でも、その時にどれだけ落ち着いて大切なことに意識を向けられるか、そのあたりにも歌がうまくなる秘訣があるかもしれません。

ともかく、本当に楽しく実り多い一日でした。ティツィアーナ、関係者の皆さん、受講生の皆さん、しばしば分からない単語に出くわす私を助けてくださった聴講生の皆さん、ありがとうございました。

 
  • コメント(全2件)
  • Moon rose 
    6/25 01:22

    お疲れ様でした!行けなくて残念でした!奥の深い話ですね!技を盗むではないですけど、良いものは自分のものにすることも大切です!そのために師匠がいると思いました!塔子さんも師匠がいますよね?
  • もりもり☆ 
    6/25 08:34

    とても勉強になりそうですね!!
    川越さんのブログを読むと勉強になりま

    いつもアリガトございます

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