ドレス選びの苦悩

今、リサイタルのために新しく選んだドレスを直しに出しているところで、昨日は仮縫いに行ってきました。歌い始めてからの年月は、ドレス選びの歴史でもあります。

生まれて初めてのドレスは音大生の時、発表会のためでした。友だちに教えてもらったお店(学生向けに安い値段でオーダーできる)で作ってもらいました。

上半身が黒いベルベットで、オフショルダーのデザイン、スカートは濃いピンク色のオーガンジーでした。

そのドレスは15年たった今でも持っていて、何とたまに着たりもします。が、オーダーだと自分で思いつく範囲のデザインしかできないし、それも、言葉で説明してイメージ通りのドレスを作ってもらうのは、なかなか難しいことが分かりました。

そこでそれからは、今に至るまでずっと、でき上がって売られている(いわゆる『吊るし』の?)ドレスを買っています。

…でも。ここ1〜2年とみに、ドレス選びが難しくなってきました。

外国ではどうか知りませんが、日本でロングドレスの需要と言えば、何と言ってもウェディング(あとは、夜のお姉さんが着るスレンダーなドレスですね。その手のドレス屋さんで、小さなサロンコンサートなどにぴったりのものが見つかることもあります)。売られているものでも一番種類が豊富なのは、白いウェディングドレスです。

続いてお色直し用のカラードレス。演奏家向けに作られたカラードレスもありますが、種類は少なめ。

どちらにせよ、ターゲットが若いんですよね(笑)。演奏家でも、ドレスを買うのは音大生や卒業したばかりの若いお嬢さんの方が多く、歳を重ねるごとにやめていく人が増えるのでしょう。

パフスリーブ、はさすがに最近見かけませんが、胸にお花がついていたり、ウェストにリボンがついていたり、スカートは大きなパニエを入れてぱあーっと膨らませるタイプ。

私のレパートリーは少女の役も多いので、頑張って着続ければいいのかもしれませんが、この手のドレスは35歳を過ぎると急に似合わなくなります(笑)。

その代わり、若い頃には似合わなかったマーメイド型や、大人っぽいデザインが似合うようになっているはず。なのにその選択肢が、吊るしドレス市場にはとても少ないのです。

いやもちろん、エスカーダとかヴァレンティーノとかのウィンドウには、大人のための世にも素敵なドレスが飾られています。…でも、買えない。とほほ。

ハリウッドで活躍する日本人デザイナー、 TADASHI SHOJI さんのドレスは、美しくかつ手頃な値段で買えるものもありますが、リサイタルのような「ここ一番」で着るには、ほんの少しカジュアルなものが多いです。

おそらく私たちよりもっと先輩の演奏家の方々は、吊るしを買わずにオーダー(学生向けのお店じゃなくてちゃんとしたデザイナーさんに)なさっているのでしょう。

私もそろそろ吊るしのドレスをあきらめる年齢に差しかかってきたということでしょうか。若い後輩と共演してドレスがお揃いになっちゃったりしたら恥ずかしい、というより申し訳ないしね。

というわけで、最後の吊るしドレスになるかもしれない今回のリサイタルのためのドレスは、ウェディングドレスとして売られていたものです。

フランスの I love you というブランドのもので、日本の花嫁さんは絶対に選ばないだろう(なんでこれ仕入れちゃったの)!という感じの(笑)、ややセクシーなデザイン。

もちろん生地は白なのですが、いかにもウェディングドレスに見えないように、少し手を加えてもらっています。

さてどんなドレスかは、リサイタルに来ていただいてのお楽しみということで、5月19日14時、銀座の王子ホールにぜひいらしてくださいね!

川越塔子ソプラノリサイタル
Concerto Aperitivo vol.3

2012年5月19日(土)
13:00開場 14:00開演
@王子ホール(東京・銀座)

全席指定 7,000円(お飲みもの1杯つき)

お問い合わせ・チケットお申し込み:(財)日本オペラ振興会チケットセンター
044-959-5067
http://www.jof.jp/