振り付け

5月19日(土)に開催予定の私のリサイタルでは、後半に、團伊玖磨作曲のオペラ「夕鶴」をハイライトで演奏する予定です。

3曲あるつうのアリアを中心に、与ひょうに渡邉公威さんを迎え、つうと与ひょうの二重唱も演奏します。

今日は、つうのアリア2曲を、藤間藤三郎先生に振り付けしていただきました。

アイドルじゃあるまいし、オペラアリアなのに歌の振り付けって?…と、思われるかもしれませんが、もしかしたら普通の日本舞踊の先生に「振り付けしてください」とお願いしたら、歌えないほど本格的な(笑)振りが付いてしまうかもしれません。

そこは、オペラ界の大物演出家(鬼のような、某K山先生)のもとで20年以上にわたって日本オペラの振り付けを担当されてきた、藤三郎先生。

もとより歌の邪魔になるような振り付けは決してなさいませんが、その上ひとつひとつ、私にやらせてみて「歌いにくくないか」を確認してくださいます。

私はつうをこれまでに7回演じましたが、舞台で演じる時には演出家がいるので、藤三郎先生には細かい所作を直していただく程度で、一から振り付けをしていただいたのは初めてでした。

というわけで今日は、舞踊家である先生の、単純に言うと「音楽を感じて体を動かす」感覚の鋭敏さに、感動してしまいました。

日頃先生が踊っている長唄や清元と、いくら「夕鶴」とは言え完全に「洋モノ」のオーケストラの音とでは、成り立ちも違えば「間」や「呼吸」も全く違います。

それなのに。藤三郎先生が特別なのか、舞踊家さんというものはどんなジャンルにおいてもそうなのかは知りませんが、一瞬で、何と言うか、音楽を体に染み渡らせることができるんですよね。

私たち演奏家は音楽を「発する」立場とは言え、でも常に共演者がいるし、特にオペラ歌手は舞台に乗っていても歌わずに演じるシチュエーションが多々あります。

それなら私も、舞踊家さんのように音楽を体に染み渡らせる感覚を、少しでも身につけたいものです。

先生の動きとは全然似ても似つかないけど、リサイタルでは精一杯やります。どうぞお楽しみに♪