オーケストラ合わせ

昨日、東京フィルと合流して「フィガロの結婚」のオーケストラ合わせ(私たちの側から言うと。オーケストラ側から言えば歌合わせですね)をしてきました。

オーケストラ合わせ、って、何故かとても緊張するんですよね。オーケストラとの共演は歌手になる前は夢だったし、プロになってもそう日常的にあることではありません。だから肩に力が入ってしまうのでしょうか?

しかも昨日は、会場が東京フィルの都合で?NHKのスタジオでした。壁に吸音材が貼りめぐらされており、歌手にとっては何ともおそろしーい感じのお部屋。

以上言い訳で(笑)、ともかくオペラの幕開きのフィガロとスザンナの二重唱から、オケ合わせがスタートしました。

朝、自宅で声を温めはしましたが、NHKに着く頃にはすっかり冷えていたし、緊張で体も硬くなっていたし、会場の音の響き方もさっぱりつかめないし、オーケストラが入ってマエストロのテンポも微妙に変化するし、最初の2曲は自分でも納得がいかないまま終わってしまいました。

もう一度やらせてほしいなぁと思いましたが、とりあえず先に進み、それから後の曲はだいたい2回ほど繰り返しながら、テンポやレチタティーヴォからのつながり、マエストロのやりたい音楽のイメージを確認しました。

声が温まって体がほぐれ、お部屋にも慣れてくると、私もだんだんモーツァルトの音楽に身を委ねることができるようになりました。4幕のスザンナのアリアを2度目に歌った時には、マエストロ・ゼッダから投げキッス、いただきましたよ。うふ。

オペラの最後まで演奏し終えてから、マエストロが「1番と2番をもう一度やろう、最初にやった時はまだ温まっていなかったから」とおっしゃいました。私も心残りだった、冒頭の二重唱ですね。さすがマエストロ、お見通しです。

2度目に合わせた時は、マエストロもオーケストラも私たちもすっかりノリノリで(笑)、終わるとマエストロから昨日二つめの投げキッスを頂戴しました。一生大切にします。

さらにもう一曲、2幕のフィナーレ(一番長くて大きなアンサンブル)をもう一度合わせて、6時間に及ぶオーケストラ合わせが終了しました。

収穫は二つあります。一つは、スザンナを一日に2回フルヴォイスで歌っても、私の喉と体は大丈夫だということが分かったこと。最後まで持つかしらとか、ペース配分がどうのとか、余計なことを考えずに思い切りやればよいということですね。

もう一つは、幕開きの二重唱です。声と体が温まっているか否かで、ああも違いが出てしまうということですよね。ただでさえオペラの冒頭は、出演者だけでなくお客様も、劇場全体の空気が緊張しています。

当日はフィガロとスザンナの登場と同時にその緊張を解放して、お客様をいきなりモーツァルトの世界にお連れできるよう、幕が開く前の準備をいつも以上にしっかりして本番に臨みたいです。

明日からいよいよ東京文化会館に入り、舞台稽古が始まります。