初夜権

聞いたことありますか?ためしに広辞苑を引いてみたら、載っていました。

「庶民・領民の結婚に際し、酋長・領主・祭司・僧侶などが花婿に先だって花嫁と同衾する権利。」

今の感覚からすると、ひどい話ですよね。確かにこのような権利が存在したという証拠は乏しく、半ば伝説のような色合いが濃いようですが。

主に中世のヨーロッパに存在した(と言われる)権利で、処女は土地や穀物と同じ領主の所有物(あるいは献上品)であった、とか、処女の血が忌み嫌われたので神と見做される君主や聖職者が最初の性交をして浄めた、とか、結婚前に「この娘は確かに処女である」と確認した、とか、もしそうでない場合に新郎がそれを知らずに済むようにした、などなど、様々な説があるみたいです。

「フィガロの結婚」のお話にはこの「初夜権」が重要なポイントとして登場するのですが、台詞のイタリア語では "diritto feudale" (直訳すると『封建的な権利』)という、少々オブラートに包んだ表現で出てきます。

オペラの冒頭はフィガロとスザンナの結婚式の朝。幸せいっぱいのはずの二人ですが、ご主人様であるアルマヴィーヴァ伯爵が、いったんは廃止した初夜権を、スザンナを合法的に我が物とするため復活させようとしているらしい、という不穏な空気が流れるところから始まります。

伯爵の思惑と、初夜権復活を阻止するためのフィガロの計略。男の嫉妬渦巻くハラハラドキドキの展開ではありますが、そこはモーツァルト。

ヴェリズモオペラみたいに血が流れたりすることはないし、最後はハッピーエンディングが待っていますので、どうぞ安心して、音楽を楽しんでくださいね。

 
  • コメント(全1件)
  • _〇 ̄ 
    2/25 23:38

    フランス歴史小説の中で「初夜権」の事がちらっとあったような気がしま
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