出番が多い!

今の私の心の叫びです。「フィガロの結婚」の立ち稽古を始めて約2週間、休みなく朝から晩まで稽古している感じなのですが、未だ手を付けていないシーンがあります

「フィガロの結婚」は3時間以上に及ぶ長い作品で、スザンナが歌わないのは他の役のアリアだけ。

前にも書きましたが、「蝶々夫人」の蝶々さんよりも「椿姫」のヴィオレッタよりも、歌う時間が長いのだそうです。

それに加えて「フィガロの結婚」、オペラ初心者にもおすすめの有名な作品ではありますが、話の中身がものすごく複雑です。

乱暴にまとめると、お城の中でおイタをはたらく浮気で横暴な伯爵をみんなで改心させる話、という感じ(乱暴すぎ!)なのですが、そこに題名にもなっているフィガロ(伯爵の召使)とスザンナ(伯爵夫人の小間使い)の結婚が絡みます。

伯爵はスザンナに手を出そうとしていて、女中頭のマルチェッリーナ(スザンナの上司)は借金を楯にフィガロとの結婚を企んでいます。

結局このマルチェッリーナはフィガロのお母さんであることが判明するし、伯爵は一応改心して伯爵夫人に許しを乞い、フィガロとスザンナはめでたく結婚するのですが、そこへ至るまでにそれぞれの登場人物の思惑が交錯し、密告の手紙や偽のラブレターが飛び交います。

2週間の猛稽古で、スザンナという人物の核は少しずつ私の体の芯に根を下ろしてきましたが、この登場人物の多い込み入った物語(そして私は出ずっぱり)の中で、局面ごとの感情の動きはまだ濃密とは言えません。

本番が2週間後にせまり、さすがにのんびり構えてもいられなくなってきました。

「出番が多い」と嘆いたり文句を言うなどもっての外、なんと歌手冥利に尽きることではありませんか。

と、自分を奮い立たせて、あと2週間、一日一日を大切に、私の中のスザンナを大切に育てたいです。