イタリア流?

昨日から宮崎に帰ってきています。思った以上に寒いです!

今回の帰省はオーディションを受けるため。来年9月に初演予定の、新作オペラのオーディションです。

主催する宮崎県オペラ協会は、私の宮崎時代の恩師である見山靖代先生が会長を務め、40年に渡って地元でオペラを上演し続けている、伝統ある団体です。

が、私は今まで関わったことがなく、オーディションに参加するのは初めてでした。

昨日そのオーディションがおこなわれたのですが、これがまた、私が一度も受けたことのない雰囲気のオーディションでした。ここはイタリアか!と思いました。

審査員は、協会長の見山先生と、指揮者、脚本・演出家、作曲家の4人。

今まで私が東京で受けてきたオーディションというのは、名前を呼ばれて出て行って、指定された曲を歌って、時には時間の都合とか気に入らないとかいう理由で途中で「チーン」と切られたりして、それで終わり。

それで後日、合否の連絡が来るのですが、たとえば落ちた時に「こういう理由で」とかいう説明も一切ありません。

ところが昨日のオーディションでは、それぞれが歌い終わった後、おもに作曲家と演出家が歌手の「キャラクターを知りたいから」ということで、いわゆる「面接」のようなことがあったんです。

意外に思われるかもしれませんが、日本で、いや東京だけかもしれないけど、オペラのオーディションって本当に歌しか歌わせてもらえないし、面接はないので審査員と言葉を交わす機会はないんですよね。

選ぶ側に「公正な審査を」という意識がとても強いのでしょうか。

イタリアでは、オーディションで歌い終わった後に審査員から話しかけられることはよくありました。

「君の声だったら○○の役が合ってそうだよね、ちょっと歌ってごらん」とオーディションと全然関係ない曲を歌わせてみたり、「君の師匠のジャンフランコとは、何年にどこそこで○○のオペラを一緒にやってね、その時は…」みたいなただの思い出話が始まったり。

まぁ無駄話なんだけど、そこで歌手と審査員の先生との間に人間的なつながりが生まれるので、その時のオーディションに受からなかったとしても、後日別の仕事につながることもあるわけですね。

ここは日本なので、さすがにオーディションと関係ない話が始まることはなく、「原作を読みましたか?」とか「主人公に共感できる?」とか、作品に関わるお話をしてきましたが。

でも、日本のオーディションで審査員と言葉を交わすのは初めてだったので、いつものオーディションの時のような、暗闇に向かってボールを投げ続ける感じの空しさがなく、嬉しかったです。

もしかして宮崎ってイタリア的なのかしら。