舞台監督

オペラ公演が成立する上で絶対に欠かせないのが、「舞台監督」というスタッフです

舞台監督さん。どんな仕事なのかと言うと、演出家が頭の中に描いた舞台のイメージを実際に形にしてくれる人、という感じでしょうか。

公演がおこなわれる劇場の寸法や機構を熟知して、舞台装置の製作に始まり、日々の稽古場の設営、大道具・小道具の製作・管理、最終的には楽屋での「開演5分前」とかのアナウンス、歌手が出番に遅れないための呼び出し、舞台袖でのキュー出しまで

衣装家や照明家などのスタッフが、稽古場には数回しか現れないのに比べ、舞台監督およびその助手は、必ず稽古場に詰めています。

というより、舞台監督(助手)さんがいないと、稽古はできないんです。稽古場は実際の舞台ではないので、舞台装置の寸法に合わせて床に線を引いておいてもらえないと私たちは動けないし、演出家はたいていワガママなので(笑)大道具も小道具も、しょっちゅう文句がついてその都度変えなければなりません。

というわけで、我々歌手にとって一番身近で、日頃からお世話になりっぱなしで頭が上がらないスタッフが、舞台監督さんです。

ちなみに人気俳優の小栗旬さんのお父様が、オペラの一流舞台監督さんですが、日本の舞台監督さんは本当に素晴らしく、世界に誇りたい仕事ぶりです。

私がオペラの仕事を始めたばかりの頃、彼らの仕事に対するプライドを知った出来事が二つあります。

一つ目は、何でだったか忘れましたが私が楽屋の廊下を裸足で歩いていたら、舞台監督さん(小栗旬くんのお父様と同じくらい偉い人)にすごい勢いで叱られました。曰く、何が落ちているか分からない廊下で怪我でもされたら舞台が台無し。だから歌手を守るのが舞台監督の仕事なのだ、とのことでした。

もう一つは、日本もののオペラの室内のシーンの舞台稽古で、私がうっかり草履を履いて出てしまった時のこと。演出家に罵倒されたのは私ではなく、「草履を履いたままの歌手に出のキューを出した」舞台監督助手でした。ウッカリは明らかに私なのに

それ以来、オペラ歌手はたくさんのプロの仕事を全部背負って舞台に立っているのだ、と自覚しました。

今回の「高野聖」では、舞台監督の八木さんを筆頭に、ほか三人の助手さんが常に稽古場にいて、時には歌手以上に演出家の叱責を受けつつ、稽古につき合って下さっています。

演出家は言いたい放題だし歌手は甘えっ放しだし、私が舞台監督だったら「やってらんねぇ」とちゃぶ台をひっくり返したくなるんじゃないかと思ったりしますが。

オペラを見てくださるお客様には是非、「事故なく物語が進行する」ことの貴さ、そのために力を尽くす舞台監督さんの思いや誇りも嗅ぎ取っていただけたら最高です。

 
  • コメント(全1件)
  • Kaiser 
    11/23 00:17





    え…?


    「ちゃぶ台」て何ですか…


    見た事無いかも…!


    う…ん


    Generation Gap


    を感じます


    ねぇ…!!
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