ベルさん

ギリシャが大変だとか言われていたら、とうとうイタリアにも飛び火してきましたね

何も今になって急にイタリア経済が逼迫し始めたわけではなく、前々から危機に陥る火種はあったんだけど、G20で集まってみんなで話しているうちに、「やや、やっぱギリシャだけじゃなくイタリアを何とかせないかんのじゃないの」という空気が首脳たちの間に漂い始めた、という感じなのではないでしょうか。

財政再建を本当にやってんのか?をIMFに監視してもらうんだそうです。それとついにベルルスコーニ首相が辞任するのだとか。

シルヴィオ・ベルルスコーニ氏は75歳(17歳の女の子に手を出したとかで裁判中ですけどね)。イタリア在住の日本人は「ベルさん」と呼びならわしています(私のまわりだけか)。

これまでに三度首相に就任していて、中でも二度目の時は5年にわたる長期政権でした。イタリアの首相の任期は5年ですが、5年を全うしたのは戦後この二度目のベル政権だけなんだそうです。

それで2006年に一旦、ロマーノ・プローディ氏(『白雪姫』の七人の小人っぽい顔のおじさん)に政権を譲りますが、2008年、アリタリア航空がエールフランスだかKLMだかに買われる危機の時、三たび政権に返り咲いて今に至ります。

なんでベルさんがそんなに支持されたのかと言うと、この方は大富豪なのですが、貴族の出とかではなくミラノの銀行員の息子で、自分の才覚だけでいくつもの会社(ついにはサッカーのACミランまで)を経営するに至った、立身出世の人だからかもしれません。

失言大王で、女の人が好き過ぎて、一国の首相としては失格かもしれないけど、一イタリア男として見れば、人柄もなかなか魅力的と言えなくはありません。

顔のリフティングにはげんだり、植毛だか地肌の入れ墨だか知らないけど、後退した髪の生え際をせっせと前進させたりしているあたり、「アホか」と思う反面どこか憎めない感じがしませんか?

オバマ大統領を「日焼けしている」なんて言うのは、国際的にはもちろん論外だけど、イタリア人は人種差別にとても鈍感で、かつイタリア人同士の間なら「日焼けしている」は最高の褒め言葉です。ベルさん的にはそのつもりで言っちゃったに違いありません。

まぁ、私が特別ベルさんを弁護したいわけではないんですけどね。経営の手腕だけは間違いなく抜きん出た方なので、それを国の財政再建に生かせなかったのは残念です

それだけ、イタリア経済の病巣は深いということなのかもしれません。何しろ南北格差(とても同じ国とは思えない)やマフィアの暗躍(くわしくは知りませんが)など、何事も一筋縄ではいかない国ですからね。

ベルさんがやめたからといって問題が解決するわけではないけど、ぜひ新しいリーダー(いったい誰がなるのでしょう、誰がなっても…と思わないでもないけど)のもとで、うんと長い目で、真の先進国に変貌していってほしいものです。