…時代?

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今回、「ラ・ボエーム」の稽古に入る前に私がレコ勉のために聞いていたCDは、レナータ・テバルディがミミを歌っているものです。

1959年の録音で、指揮はトゥッリオ・セラフィン、ロドルフォがカルロ・ベルゴンツィ、マルチェッロがエットレ・バスティアニーニ、コッリーネがチェーザレ・シエピという、もう何ていうか盆と正月がいっぺんに来たみたいな、夢のような組み合わせです。

この中で私が生で演奏を聞いたことがあるのは、70歳を過ぎた頃?来日した時の、カルロ・ベルゴンツィだけ。つくづく、オペラの黄金時代を知らない世代なのです。

ま、それはさておき、このCDの時代から約50年、クラシック音楽のざっくりとした流れとして、演奏のテンポが速くなってきています。イタリアオペラの世界では、リッカルド・ムーティが現れてカットなし、高音なしの衝撃的な原典主義を推し進めたことも、世界中のオペラのテンポを速める結果になったように思います。

今回私が共演しているマエストロ、牧村邦彦さんは、そんな流れの中にあってはとっても濃い、たっぷりと「歌わせる」音楽をなさる方です。柔軟に伸び縮みがあり、「ため」がずっしりとしていて、全体的なテンポも決して速くありません。

'50〜'60年代のオペラに心酔している私としては、マエストロ牧村の音楽の作り方は大好きで、「いい感じだなぁー」と思いながら日々歌っていたのですが、久しぶりにこのCDを聞いてみたら、…レベルが違いました。

テンポが遅い、というか重い。フェルマータで伸ばすところは、私が「これくらい」と思う長さの、だいたい倍。ため(間?)も倍。それと、ポルタメント(音と音をずり上げるようにしてつなぐ)がすごく多い。

やっぱり、時代というものでしょうか。世の中の時間の流れ、人々の体内時計が速くなったのは事実かもしれません。でも、'50年代のようなたっぷりとした音楽は、あの時代のキラ星のような大歌手たちあってのことだったのでしょう。私ごときでは間がもたないもん。

いや、参りました。もっともっと、自分の器を大きくする努力をしないとね。

 
  • コメント(全1件)
  • のんびり 
    8/30 00:59

    はじめ

    時代によって様式が変わるのは仕方がないことですね


    でも、様式は変わっても、その本質に迫った心のこもったものは、時代を超えて人の心に響くはずで


    そういうものを音楽、オペラに関わらず見聞きしたいです


    えらそうに失礼しました

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