歌舞伎小屋にプッチーニが響く

9月3日に京都芸術劇場・春秋座で公演予定の「ラ・ボエーム」に向けて稽古中です。昨日まで、京都に滞在して本番の舞台で稽古をしてきました。

春秋座という劇場、京都造形芸術大学という大学の中にあるのですが、この大学で教授をつとめていらっしゃる、歌舞伎俳優の市川猿之助さんが設計なさった劇場です。

というわけで、中に入って客席を見わたすと、完全に歌舞伎小屋。横に広くて、四角くて、提灯もちゃんと下がっています。もちろん、花道、鳥屋にすっぽん、定式幕など、歌舞伎を上演できる設備もぜんぶ整っています。

でも、オーケストラピットもあるんです。だからオペラも上演できるわけですね。音響が良く、それほど大きい劇場ではないこともあり、マイクを使わない我々オペラ歌手も「大きな声を出さないとお客様に聞こえないんじゃないか」という不安を抱くことなく、安心して演じることができます。

今回は、オペラでは本当に珍しいことですが、花道を使った演出になっているので、お客様のすごく近くで歌手が歌うことになり、息遣いまで聞いていただけると思います。花道を歩かせてもらえるのは、私たち歌手もワクワクです。残念ながらすっぽんから登場、というのはありませんが。当たり前か。

私はミミを演じるのは初めてで、今まではいつもお客として「ラ・ボエーム」を、数えきれないほど見てきました。かえすがえすもプッチーニという作曲家は天才で、何度も何度も見て、ストーリーはおろか音楽も台詞もぜーんぶ覚えてしまっていても、ミミが死ぬ終幕では必ず泣いてしまいます。

演じる側になってみると、まだ必死で別の意味で泣きそうですが(笑)それでも、まだ空っぽの劇場に響きわたるプッチーニの洪水に身を浸していると、音楽家としてはこの上ない喜びにうち震える思いです。

マエストロ・牧村邦彦さんと演出家・岩田達宗さんとの鬼気迫る攻防(?私がダメ出されてるだけだけど)についてはまた近いうちに。

関西にお住まいの方、いやお住まいでなくても、歌舞伎小屋で聞くプッチーニ、花道で歌うオペラ歌手の声にご興味のある方は、ぜひ春秋座にいらしてくださいね。

プッチーニ「ラ・ボエーム」

2011年9月3日(土)17:00開演
@京都芸術劇場・春秋座(京都造形芸術大学内)

全席指定
S席:9,000円(シニア8,500円)
A席:7,000円(シニア6,500円)
学生&ユース席:2,000円
指揮:牧村邦彦
演出:岩田達宗
出演:川越塔子(ミミ)
村上敏明(ロドルフォ)
井上敏典(マルチェッロ)
柴山愛(ムゼッタ)
ほか

チケット取扱い
●京都芸術劇場チケットセンター:075-791-8240
●チケットぴあ:0570-02-9999 ※Pコード:136-862
●イープラス:http://eplus.jp/