マエストロの広場

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イタリアでは(というか欧米ではだいたいそう?)住所を通りや広場の名前と番地で表しますよね。○○通り××番、という感じ。

だからどんなに狭くても短くても、ぜーんぶの道に名前がついていて、地図でそれを見つけだして端から歩けば、初めての場所にも住所をたよりに辿りつくことができます。

一方日本では、住所となる町名?は区画ごとに付けられていて、○○丁目××番地、のように数字が続くので、確かに、住所をたよりにその場所へ行くのはイタリアでより難しいかもしれません。

日本ではすべての通りに名前はなく、区画ごとに住所を決めるということをイタリア人に説明するのはとても難しく、たいていは「何故そんな複雑なことをするんだ、イタリアのやり方の方がずっと効率的じゃないか」というようなことを、非効率の天才みたいなイタリア人に言われて、とてもムッとします。

でも、全部の通りに名前をつけなきゃならないというのも、私に言わせればなかなか大変なようです。だから重なります。

歴史上の偉人の名前をつけた通りはやはり多いですが、その中でも断トツに多いのは(あくまでも私の印象です)、なんといってもヴィットリオ・エマヌエーレ2世。イタリア統一の英雄です。

イタリアの全部の市区町村?に「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世通り」または「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世広場」がある(もちろん日本の国道1号のような一貫した道ではありませんよ)と言ってもいいくらいです。本当に。

あとは同じくイタリア統一にまつわる、カヴールやウンベルト1世なんかも人気です。もちろんミケランジェロとかラファエロ、ヴェルディやヴィヴァルディといった芸術家も。

というわけで、前置きが長すぎましたが、我らがマエストロ・パスティネが亡くなって3年、サンタマルゲリータ・リグレに「ジャンフランコ・パスティネ」の名前を冠した広場ができました。

この場所は、サンタマ市民の憩いの場であるヴィッラ・ドゥラッツォ(昔の貴族のお屋敷で、今は市の所有で公園として解放されている)の中にあり、マエストロが毎年夏に仮設の舞台を組んで野外オペラを公演していた広場です。

今までは特にこの広場の名前はなかったのですが(市の所有地でここに住んでいる人はいないし)、これからは「ジャンフランコ・パスティネ広場」となって、遊具なども設置され、子供たちの遊び場になる予定なのだそうです。

真新しい看板の掲げられたパスティネ広場に足を運んでみたら、通い慣れた場所だったけどとても胸が熱くなる思いでした。イタリア人、なかなか粋なことをするものです。

私たちは嬉しいけど、マエストロは喜んでいるかな、照れているかもしれませんね。