ヴェローナに降る雨

ヴェローナのアレーナ(野外劇場)で、ヴェルディのオペラ「ナブッコ」を見ました

午後、ホテルにチェックインして天気予報の紙をもらうと、夜の天気は思い切り、雨。夕方になると予報通り、ポツポツと雨が降り始めました。

全くの野外でおこなわれるオペラなので、一滴でも雨が降れば、歌手やお客が大丈夫でも楽器(特に弦楽器!)がダメになる、ということで公演は遅延や中断、どうしても止まないとなれば中止です。

日本からわざわざ来たんだから(笑)雨よ降らないで!と祈りつつ、小雨の中アペリティーヴォなどしていたら、雨、止んだんです。私だけでなく、今日のチケットを握りしめて世界中から集まった観客みんなの祈りが通じたのでしょう。

「ナブッコ」を見るのは初めてだったので、ワクワクしながら見ていた、2幕と3幕の間の休憩中。雨がポツン、と降りだしました。「雨が止むまで公演を中断します」のアナウンス。慣れたお客さんは用意してきたレインコートを着込んだり、傘をさしたり。客席の売り子のお姉さんは、ここぞとばかりに「アレーナ特製」ぺらぺらのレインコートを売りまくります。

まだ有名な合唱曲、イタリア第二の国歌とも言われる「行け、思いよ黄金の翼に乗って」を聞いていないので、誰もここで帰るわけにはいきません。客席のあちこちで「行け、思いよ…」を口ずさむイタリア人たち。中にはプロばりにうまい人達もいて、拍手が湧いたりして。しまいには意味もなく「ウェーブ」したりして。

そんなこんなで時間をつぶしていると、雨が止んで3幕が始まりました。が、ナブッコとアビガイッレの二重唱の最中、「あっ、またポツンときたかな」と思った瞬間、まずチェロのおじさんが弾くのをやめてさっさと楽屋に引き上げました。続いて弦楽器の人たちがみんな。

マエストロも歌手も、チェロがやめたのを見て「何??…あ、雨か」という感じで演奏を止め、ふたたび中断となりました。

こんどはごく弱い雨だったので、管楽器の中にはオーケストラピットに残る人もいて、ほどなくまた再開。歌い手さんも、集中力を保つのが大変だろうなぁ。

3幕1場から2場への、舞台転換のための短い休憩、この転換が終われば待ちに待った「行け、思いよ…」!というところで、三たび雨が降りだしました。暗くなるのを待って21:15の開演なので、この時点で時刻はすでに午前0時を過ぎていて、もうあきらめて帰るお客さんも出始めました。

でもでも、私は日本からわざわざ来たんだし(笑)辛抱強く待っていたら、願いが通じて雨が止み、再開。三度にわたる中断を経て聞く「行け、思いよ黄金の翼に乗って」は、雨上がりの空に染み込んでいくようで感動的でしたよ。もちろん、お客さんの拍手は鳴りやまず、アンコールとなって二度聞くことができました。

終演したのは、午前1時半。朝イタリアに着いたばかりで完全に時差ボケボケの私は、最後の方は朦朧としていましたが、やっぱり「ナブッコ」はアレーナで見なきゃね。昨夜は、キャストに超有名な大スター、のような人がおらず、特にイズマエーレ役のテノールなんかはいささか破れかぶれな感じの歌いっぷりだったけど、それでも私は満足でした。

本当は帰りにジェラートを食べようと思っていたのに、さすがにお店が閉まっていましたけどね。

 
  • コメント(全1件)
  • Kaiser 
    7/28 22:22




    う〜ん!波瀾万丈で劇的な観劇!!



    其にしても、Italyでも暗く成る迄待つと、開演はそんな時間に…!?



    ヨーロッパは思いの外、緯度が高い



    最後はハッピーエンドでメデタシ、メデタシ!!
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