カラスのジルダ

  • 川越塔子 公式ブログ/カラスのジルダ 画像1
マリア・カラスがジルダを歌った「リゴレット」のCDを聴いています。

マリア・カラスは、おもに1950年代から60年代に活躍した、我々からすれば本当に神様のような、偉大なプリマドンナです。

カラスがジルダを舞台で演じたのは、20代の頃に南米で2日だけ。この時の録音は手に入らず、私が聴いているのは、4年後にセラフィン(これまた神様のように偉大なマエストロ)とスタジオ録音したもの。

何故彼女がジルダをやらなかったのかというと、一つには「リゴレット」というオペラの主役はあくまでリゴレットなので、カラスのようなディーヴァには彼女にしかできないプリマドンナ役しかオファーが来なかったということ。

もう一つの理由は、「慕わしい人の名は」というジルダの見せ場のアリアの最後の音を、楽譜には書いてないけど1オクターブ上げて歌わないと、当時のお客さんが納得しなかったということ。

この超高音(真ん中のドから2オクターブ上のミの音、三点E音)はカラスの音域にはなく、南米で演じた時にはアリア全体を半音下げて歌い、この録音では楽譜通り(最後の音を上げずに)歌っています。

ソプラノなら誰でも「マリア・カラスを完コピしたい」という夢(野望?)を持っていますが、三点E音は、私にとってもギリギリ限界の音。

現在では、ジルダのアリアの最後の音も、1オクターブ上げずに楽譜に書いてある通り歌うのが主流ですが、うう、どうしようかなぁ。

果敢に挑戦すべきか、確実に出せる音域で芸術性を追求すべきか。悩ましいです。