シーン5〜8

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シーン5   夢 公園  人格 瞬
    
車の衝突音
事故の方へ向かう学生たち
聡史そこから立ち去ろうとすると数人の男が割り込んで来る
男達、高校生の武志、正弘にぶつかり因縁をつける。

武志 「おい、こら、痛てーじゃねーか。何処に目をつけてんだよ」
正弘 「ごめんなさい…」
亮二 「ふざけろ。ごめんなさいじゃねーよ」
    亮二、正弘の胸倉を掴む
    聡史、亮二の手を振り解く。
聡史 「やめろよ。僕に用があるんだろ?」
古賀 「ほう…最近中高生に流行の占い師ってあんた?」
聡史 「…はやく行きな(正弘に)」
正弘 「ありがとう」
    その場を離れる正弘
    古賀、無言で合図を送る
    聡史を抑える武志達(2人)
    それを取り囲む男集団
    聡史、武志たちが死んでいるイメージが頭に浮かぶ
聡史 「あんた達、早くここから逃げた方がいい」
古賀 「自分の心配をしろ。占い師かなんだか知らないが、自分の災難を予言できないなんて、ただの詐欺師じゃねーか。お前に恨みはないが、兄貴の頼まれごとでな」
    古賀、亮二に合図をおくる
    亮二、聡史を殴りつける

   
シーン6   愛生の部屋

    眩い光の空間
    はっと目を覚ます聡史。
    
愛生 「大丈夫?」
    その声に驚く聡史。愛生の部屋で布団に包まっている二人
聡史 「愛生…」
愛生 「また悪い夢、見たの?」
    頷く聡史
愛生 「最近悪い夢を見るのもきっと遠矢のせいよ…人を殴れば何でも解決できると思ってるんだから。」
聡史 「遠矢はもっと強くなれって。」
愛生 「私はね、優しい聡史が好きなの。何も変わる必要はないわ。それに人は誰でも心に壁を持っているものよ。」
聡史 「僕には壁を壊す力も無ければ、乗り越える勇気すらない」
愛生 「…私にも、大きな…とても大きな壁がある。不安で怖くて…だからそんな時はその壁を見つめるの。その壁が何色で、どんな形で、どういう素材なのか。見て、触れて感じるの。そしたら、その壁を乗り越えるヒントが見つかるかもしれない…」
    愛生、聡史に口付けをしようとする

    
シーン7   瞬の部屋
銀色で統一された、幅3mの立方体の空間

瞬  「わっ!!」
    びっくりして跳ね起きる聡史
瞬  「驚いた?」
聡史 「驚くよ!」
瞬  「だっていっつも僕の好きな愛生姉といちゃついてるんだもん」
聡史 「頼むから邪魔しないでくれ」
    満足気な瞬
聡史 「ねえ、遠矢がかなり怒ってたよ。なんで予言しなかったって」
瞬  「…してたよ」
聡史 「じゃあ、伝えて…(あげればよかったのに)」
瞬  「なんで僕があんな聡史兄をいじめる暴力男のために予言をしなきゃならないんだ。僕は聡史兄と愛生姉のためにしかしない」
聡史 「そういえば、僕が瞬みたいに予言している夢を見た」
瞬  「それは僕だ。僕であって聡史兄でもある。もう一つの現実だよ」
聡史 「なにそれ?」
瞬  「…聡史兄はまだわからなくていい。あれは愛生姉からの頼み。災難から逃げるだけの予言じゃなくて人のためになる予言をやりなさいって。それに僕と同い年ぐらいの人達と一緒にいるのは楽しいし、あの日はね、聡史兄にとって大事な日だったから…」
聡史 「大事な日って何?」
瞬  「んーそれも時期がくればわかるよ。だから秘密」
聡史 「いいな、瞬は。先の出来事がわかるなんて」
瞬  「どこが?僕の人生、結末がわかっている小説を読んでる様なもんだよ。自分が死ぬ時期もわかっちゃうし…最悪だ。それにこの力がついたのもある種の防衛本能だし。いいことなんて全くない」
聡史 「防衛本能?」
瞬  「…僕は幼い頃虐待を受けてたから…そしたらいつの間にか身についてた。なにか悪い事が起こる前にそこから逃げてしまう能力を…」
聡史 「…」
瞬  「でもやっぱ逃げるだけじゃ駄目だって、愛生姉が教えてくれた。だから今日のこの時まで待った。これで僕の役目は終わったよ。これから永い眠りにつく…二度と覚めない。残念だけど、もう聡史兄に会うこともないと思う」
聡史 「真面目な顔して冗談言うなよ」
瞬  「…これは運命なんだ。」
聡史 「運命運命ってそんな簡単に片付けるなよ」
瞬  「僕は選ばれないから…」
聡史 「それじゃあ、分からない」
瞬  「さあ、手を貸して。最後の予言をしてあげる」
聡史 「嫌だ」
瞬  「聡史兄は最後の予言を受ける。僕の予言は絶対だ。わかるよね?この意味が。聡史兄は僕に手を差し出す運命なんだ。それを一番理解してるのも聡史兄だろ」
    ゆっくり手を差し出す聡史
瞬  「今までの秩序が崩れる。決断を下す時は来た。それぞれが自分の道を進んで行く。それと共にバラバラに砕けた物質が全て元の箱に戻される…聡史兄は最後に何を残すか決めるんだ。わかっているのは最後の一つに僕はいない。だから行くよ。」
聡史 「どういうことだよ。」
瞬  「僕みたいに、結果がわかる人生を歩んでもつまらないだろ。聡史兄に僕はもう必要ない。自分で生きながら答えを見つけていくんだ」
聡史 「先が見えない人生なんて、(怖いよ)」
瞬  「とにかく、頭の中で考えてばかりいては駄目だ。聡史兄はもっとインスピレーションで行動しなよ。迷った時は自分を信じて」
聡史 「信じる?信じるって何?そんな事をしても傷つくだけだ」
瞬  「だからってそこから逃げるのか?愛生姉に言われただろ。心の壁から目を逸らさず、それを見つめろって。そしたらその壁は入り口となり、扉となって聡史兄を次の世界へいざなうよ。…さ、もう眠りな。そして聡史兄はゆっくりと眠りにつく」
聡史 「嫌だよ」
瞬  「さよなら。僕の予言は絶対だ」
    手を聡史の額にかざす。ゆっくり眠りに落ちる聡史


シーン8   夢 公園  人格 遠矢
    
    亮二、聡史を殴りつけるがその拳を受け止める聡史
聡史 「瞬の野郎、めんどくせー事に巻き込みやがって…」
    拳を握り潰す聡史。痛がる亮二
聡史、顔を上げる。顔つきが鋭い