シーン14〜17

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シーン14  愛生の部屋

目が覚める聡史。具合が悪い。愛生は寝ている。愛生に膝枕されている聡史
聡史起き上がりうずくまると、愛生の部屋のテレビがつく。
裁判の情景が流れている。
裁判官「これから判決を言い渡します」
    テレビを見る聡史
裁判官「主文、被告人を懲役5年に処する。ただし、未決勾留期間(みけつこうりゅうきかん)の60日を算入する。それでは判決理由を読み上げます」
    聡史テレビに近づく
裁判官「被告人は、**年*月*日、日頃から行っていた占いの趣味を終え、**公園を出ようとした際、被害者集団のリーダー格である男Kから声をかけられ、Kから暴行を受けた。始め被告人は抵抗無く暴行を受けたものの、自らの身の危険を感じ、Kの手を掴み殴りつけるなどの反撃に転じた。その後も被告人は被害者集団の全員に対し、個別に殴る蹴るなどの暴行を続け、Kらの攻撃意思が無くなった後も暴行し続け、被害者集団に死亡者がでるまでこれを止めなかった。被害者集団の死亡は脳挫傷、失血死によるもので、目撃者が多数いることから、被告人の暴行によるものであることは間違いない。よって、被告人には被害者が死んでも良いという「未必(みひつ)の故意」が存在し、検察側の主張通り被告人には傷害致死でなく殺人罪が適用されるのが適当である」

モニターには裁判の風景と、聡史が血まみれになりながらヤクザを殴りつけている記憶の断片の映像が入り混じりながら写っている。
聡史 「なんなんだよ」
理解できない聡史。映像は流れる。
    
裁判官「弁護側から主張された、事件時の記憶の紛失、また、被告人の乖離(かいり)性人格障害、いわゆる多重人格を理由とする心神耗弱(しんしんこうじゃく)状態であるが、精神鑑定の結果、うつ状態に陥ると英語での会話しか出来なくなる症状はあるものの、それが心神被耗弱であるとは言いがたい。それに、被告人に残虐な人格の様な症状は見受けられず、心神耗弱による減刑は認められない」
    英語で呟く聡史
聡史 「遠矢は死んだ(英語)」

胸が苦しい聡史

    愛生、目が覚める
裁判官「しかし、本件は被告人が被害者集団に囲まれ、暴行を受けたことを発端として起こっており、また、被害者Kは理由も告げずいきなり被告人を殴りつけているため、重い程度で急迫不正の侵害があったと言える。よって、弁護側から主張された過剰防衛については、これを認め、刑の軽減が行われるべきである事から主文の刑を科すのが相当と思われる」
聡史 「僕のせいだ。僕が耐えていればこんな事にはならなかった…(英語)」

聡史 「どうなってんだよ。」
    聡史モニタを叩く
愛生、聡史に近づき聡史をテレビから離そうとする。
愛生 「聡史やめてよ」
聡史 「離せ。離せよ愛生!なんで僕が写ってるんだよ」
愛生 「大丈夫。聡史は何も心配しなくていいから」
聡史 「…何か知ってるのか?」
    なにも言えない愛生。
聡史 「知ってるんだな。なんなんだよあの映像」
苦しそうに崩れおちる聡史
愛生 「遠矢の感情を引き継いだのね」
聡史 「…」
    愛生、聡史を包み込む
愛生 「聡史、大丈夫だよ。聡史に拓哉達は必要ない。私だけを求めて。私が守ってあげるから。聡史は私の中で眠っているだけでいい」
    愛生、聡史を包み込む
    意識が朦朧として眠りにつく聡史


シーン16   アレンの部屋  

目を覚まし、顔を上げるとそこにはアレンがいる。
聡史怒りが体を蝕む
アレン「大丈夫?」
聡史 「アレン、あの薬をくれないか?(英語)」
アレン「辛いんだね。わかった。前の薬よりもっと強いやつをあげるよ。これでしばらくは楽になる (英語)」
    粉状の薬を与えるアレン
アレン「鼻で吸うんだ」
    ジェスチャーでやり方を説明するアレン
    聡史薬を吸い、意識が朦朧とする
    しばしの沈黙
アレン「僕が遠矢を殺した(英語)」
聡史 「何?」
アレン「僕があの時耐えていれば…(英語)」
アレン銃を取り出し自分の額に銃口を向ける
    聡史、アレンを止めようとするが薬で体が動かない
アレン「動くな(英語)」
銃を聡史に向ける
アレン「と言っても、その薬を打ったら動けないよね…僕はもう君とはいれない。僕のせいで遠矢は死んでしまった。僕があの痛みから耐えていれば遠矢は死ぬことはなかった。僕も遠矢の所へ行く。…僕は自殺する。でもこれは僕の意思ではない。矛盾してるね。僕が自殺するのは君の意思だ。聡史の意思で僕は自殺する。遠矢が死んだのは、瞬でも愛生でも僕のせいでもない。聡史が遠矢を必要としなくなっただけなんだ。そしてこの僕も必要としなくなった。…僕は君を愛している…君の願いならなんだって叶えてやる。聡史は僕に何を望む?…死か?ならばそれをくれてやる!これから先は自分で決めろ。今この世界を支配しているのはお前だ。お前の思い通りにこの世界は動く(英語)」
アレン自分の頭を銃でぶち抜く
    薬が効き崩れる意識がなくなる聡史


シーン17   拓哉の部屋
  
    目覚める聡史

拓哉 「公園での事件を切欠に遠矢が弱り始めてから俺達の均衡が崩れた。なぜ愛生は瞬に事件に巻き込ませる行動をとらせた。しかも瞬はそれを予言しなかった?いや、予言はしていたんだ。瞬はこの先の出来事の何を見た。この事件に愛生がからんでいる事は確かなんだ」
拓哉 「聡史、愛生の行動で何か違和感を感じたことはないか?」
    聡史、薬が効いていて意識が朦朧としている
拓哉 「聡史答えてくれ」
聡史、反応がない
拓哉 「くそ。考えろ(自問自答)…まずは、愛生が瞬を遠矢に敵視させるよう手なずける。遠矢は聡史に対して暴力を行うこともあったから、聡史に好意を持つ瞬に対して遠矢を敵視させるのは難しい事ではない。公園で予言を人々にしようなどと瞬に吹っかけ、当然瞬はそこで襲われる事を予知した。でも瞬は襲われる事をあえて遠矢には伝えない。聡史の体は遠矢が守る。力尽きて死ぬのは遠矢だけ…しかしまだ子供の瞬にとって、いくら敵意があったとはいえ、遠矢を殺した事に責任を感じ永遠の眠りにつく。そしてアレンも…この事件は偶然ではない。必然的に愛生が計画した。問題は愛生の動機…。思いだせ…愛生の言っていた言葉を…」
    何かを思い出す
    シーン18のイメージ
愛生 「聡史に拓哉達は必要ない。私だけを必要として。私が守ってあげるから。聡史は私の中で眠っているだけでいい」
拓哉 「愛生にとって俺達は必要ない。聡史は私の中で眠っているだけでいい。俺達が消えて聡史が眠りについたら愛生一人で聡史を守るっていうのか?」
ひらめく拓哉
拓哉 「…いや、愛生は聡史を守るんじゃない…支配だ…人格の統一…あいつは聡史の体をのっとるつもりだ!くそ、今頃わかった。どうして今まで気づかなかった…」
    聡史に近づく拓哉
拓哉 「聡史、起きろ!愛生のところに行っては駄目だ。聡史!」