シーン18〜19

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シーン18  愛生の部屋
    愛生テーブルにコーヒーを置く。その音で目覚める聡史まだ意識が朦朧とす
愛生 「拓哉は私の事を疑っている。聡史にまで見放されたら私」
聡史 「大丈夫だよ。拓哉も話せばわかってくれる」
愛生 「拓哉は聡史に自立を望んでいる」
聡史 「愛生もそれを望んでいるの?」
    首を振る愛生
愛生 「ううん。私は聡史を一人なんかにはさせない。聡史が他の部屋に行っている時、私一人きりでほんとに寂しいの。そんな思い聡史にはさせたくない。私はずっと一緒にいるから。聡史に必要なのは自立でも逃避でもない。ここにいることが聡史にとって一番幸せなのよ。ね、私とずっと一緒にいよう」
何の疑いもなく頷く聡史
愛生 「だからお願い…拓哉とはもう会わないで…」
    愛生の言葉に不信感を抱く聡史
聡史 「…愛生までそんな事いうの?」
ふいに携帯電話がなる。電話にでる聡史。
拓哉 「おい聡史か。愛生のことは信じるな。愛生はお前を…」
    聡史の携帯を取る愛生
愛生 「拓哉。余計なことはしないで。あなたに聡史の何がわかるのよ。聡史は私が守るから…自立することが聡史にとってどれほど辛いことかあなたにわかる?」
    二人の会話に取り残される聡史
聡史 「愛生も大事だけど、僕にとって拓哉もすごく大切なんだ。もう、わからないよ…なにがなんだか…疲れた…」
目を閉じる聡史
シーン19   拓哉の部屋
目を開けると鎖らしきもので体中縛られている聡史。動けない
聡史 「…なんだよこれ…」
拓哉 「俺、決めたんだ。お前を何があろうと守るって」
聡史 「拓哉、とりあえずこの鎖を解いてくれ」
拓哉 「精神が不安定なお前を自由にすることは出来ない。今はまだ、お前に殺される訳にはいかないんだ。」
聡史 「拓哉も愛生もどうかしている。お前の言っている意味がわからないよ」
拓哉 「愛生とはこれ以上関わるな!瞬や遠矢、アレンが死んだのは偶然ではない。愛生が計画的にあいつらを殺害した。そしてお前も殺される。しかし俺が生きているかぎり愛生はお前を殺しはしない。お前は俺が守る」
聡史 「愛生はそんな奴じゃない。」
拓哉 「いいか。聡史は何もわかっちゃいない。愛生はお前を駒として利用してるだけなんだ」
聡史 「拓哉に愛生の何がわかる。会った事のもないのにそんな事言うなよ」
拓哉 「確かに俺は、愛生や他の奴らとは会ったことがない。でもそいつらの事や性格は理解している」
聡史 「僕が拓也に話している範囲でね」
拓哉 「いや違う。俺達は聡史が他の部屋でどんな会話をし、どんな行動をしているのか全て知っている。聡史、思い出してみろ。」
    今までの会話を思い出す聡史
 イメージ回想
愛生 「最近悪い夢を見るのもきっと遠矢のせいよ…聡史に暴力ばかり振るうから」
瞬  「だっていっつも僕の好きな愛生姉といちゃついてるんだもん」
    信じられない聡史
聡史 「嘘だ…」
拓哉 「俺達人格は他の部屋を監視し、暗黙の了解で聡史にこれを隠すと共にお前を管理してきた。しかし均衡が崩れた今、そんな事を言っている場合ではなくなった。一刻も早くお前を目覚めさせなければならない。」
聡史 「待って…。人格ってなんだよ…なんで僕を管理する必要がある?」
拓哉 「お前を守るためだ。俺や瞬、アレンや愛生、遠矢はお前が自分自身を守るために作り出した人格にすぎない。お前は今まで目を背け信じようとしなかったが、…目を覚ませ。ここは…聡史が作り出した夢の世界だ」
聡史 「拓哉の読んだ本の話じゃないんだからさ…作り話と一緒にするなんてどうかしてる」
拓哉 「俺たち創られた人格にはルールがあって、聡史以外の人格と意識レベルで疎通できても接触(干渉)はできない。お前を愛する価値観の違いで人格同士がお互い殺し合いを出来ないようにしてあるんだ。だから愛生はお前を使って他の人格を…」
聡史 「いいかげんにしろよ!愛生が遠矢やアレンを陥れたって言いたいのか?」
拓哉 「瞬に公園での予言を進めたのは愛生だ。それが原因で事件が起こったのも確かだ。その事実を認めろ」
聡史 「もういい!黙ってくれ…薬が切れてきた…これ以上、俺を怒らすのはやめてくれ」
拓哉 「夢の物語だ。主人公は夢の世界から抜け出すために何をしたか…それは夢の世界で一緒に旅をした仲間達を自分の手で殺し、幻覚の全てを破壊した。そして主人公は現実の世界へ戻ることが出来たんだ。いいか聡史、お前が生き延びる方法は一つしかない。ここにいる俺を含め、全ての人格を殺すんだ。よく聞け。あいつは俺とお前を殺して、この世界を統一しようとしている」
聡史 「お前、おかしいよ…」
拓哉 「俺たちは創られた人格で、聡史以外の人格と同じ空間にいられない事は言ったな。だから直接、愛生はお前を殺害できても俺を殺す事は出来ないんだ」
聡史 「やめろ」
拓哉 「愛生は完全な人格の統一を目指している。俺が生きてる限り愛生はお前を殺ることはできない。」
聡史 「やめてくれ」
拓哉 「だから俺が生きているうちにお前が愛生を殺すんだ!!」
聡史 「黙れよ!!」
発砲の音。
拓哉 「…俺より愛生の方を選ぶのか?…俺たちの友情ってそんなもんだったのかよ。お前にとって友情は愛情を越えることはできないのか!!」
聡史の手に銃が握られている。何故銃を持っているのか理解できない。銃を落とす聡史。何故銃を持っ 
ていたのかわからない聡史。
拓哉 「お前が想像したんだ、凶器を…ここは夢の世界だ…お前が想像するものは何でも手に入る」
崩れ落ちる拓哉
聡史 「拓哉!」
    鎖が解ける
拓哉 「…俺はお前といた時間…楽しかった。助けたい…お前を助けたいだけなんだ……いいか…一つだけ忠告する。愛生を殺せ、そしたらお前は…この長い眠りから…目を…覚ます事ができる…お前にとって…俺たちは…必要ない…。お前が必要なのは…目覚めて起こる…現実だ。」
    力尽きる拓哉
愛生 「私を信じてくれたのね」(声のみ)
    振り返る聡史