京都大学へ向かう長い坂が始まった。でも頂上は確認出来る。あそこまで行けばと走り続けたら、以外にもあっさり頂上に到着した。「あれこんなもんだったっけ?」と思いながらコースを右折したら、そこからが、ドーンと続く長い上り坂だった。頂上は確認できない。体力はぎりぎりの所に来ているが、ここさえ乗り切れば目標を達成できると、気力を振り絞りながら上り続けた。コースには、先程以上に歩いているランナーが見受けられる。俺も身体が冷えて足が固まってきて、走りがバラバラになってきそうだ。『肩甲骨・体幹・骨盤を連動させて走る!』『苦しい時こそ胸を張る!』『このペースをキープすれば自己ベストを出せる!』と心の中で繰り返しながら上り続ける。
前方に「あと4km」の表示が見えた時、両腕の肘の下辺りに痺れというか、一瞬違和感を感じた。まずいと思い心拍を見たら、177まで上がっていた。俺の最高心拍は188位だが、もう3時間以上走っているので、ここで180を超えたら潰れてしまうかもと思いペースを落とした。頂上はもう見えているので、あそこを折り返せばあとは下りだから心拍も下がり持ち直せると判断した。しかしこここでとんでもない事が起きた。「あと4km」の表示を通過した時、3時間30分のペースメーカーに吸収されてしまったのだ!!ペースメーカーの周りには、何人ものランナーが3時間30分切りを目指し並走している。「まずい、ここで離されたら目標が達成できない。でも無理にペースを上げたら身体がやばいかもしれない!」「そういえば一緒に出場しているランナー仲間から、お互いAEDの世話にならぬよう(笑)、とメールが来たっけな」など、一瞬のうちに色んな事が頭をよぎる。身体がぎりぎりの状態の時に、最大のピンチを迎えてしまった。「でも待てよ、ペースメーカーは最前列からスタートしている筈だ。俺はスタートライン通過までに、号砲から30〜40秒かかっている。背中さえ見えていれば大丈夫かもしれない」と判断し、焦らず付いていくことにした。頂上を折り返し下りに入る。心拍は落ち着いてきたが、ペースメーカーには少しづつ離されていく。あと3km。必死に食らいつくが徐々に差が開いていく。あと2km。ペースメーカーの背中が遠くなってくる。あと1km。視界が狭まっているのかなんなのか、ペースメーカーの姿が確認できない。遠く離されてしまったのか、それとも見える所にまだいるのか・・・分からない。俺はただ、必死に走り続けるだけだ。42km通過!コースを左折したらゴール地点が見えてきた。あと少し、あと少し!そしてゴール!!
タイムは3時間30分13秒。号砲からのタイムなので、30分を切った事は間違いない!!
大会スタッフの、「おめでとうございます。お疲れさまでした」という言葉に、恥ずかしながら泣きそうになった。
今回の大会は、第1回東京マラソンに次ぐサバイバルレースだった。そんな中3時間29分38秒の自己ベストを出せた事はとても自信になった。沢山練習して良かった。出場して良かった。最後に、ブログで応援してくれた皆様、沿道で応援してくれた皆様、大会ボランティア、大会スタッフの皆様に感謝を申し上げたい。ありがとうございました。
写真:去年の京都マラソンです
お疲れ
ところ
ペース
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