• 石井正則(アリtoキリギリス) 公式ブログ/展 画像1
10月7日

三人称は続く。



彼は小さな写真展をやることにした。

彼の心強い友人たちの協力で、彼の考えは気持ちのいい裏道を進むみたいに、ことのほか順調に進んだ。

11月9日〜12月7日まで。

横浜のサイクルショップ「greenstyle」にて開催される。

タイトルは
「稲垣徳文・石井思惟 二人展『R500@greenstyle』」。

プロカメラマンである稲垣徳文さんとの二人展。

この企画は彼にとって二回目のものだった。

一度目は「R300」と題して、会場のカフェから半径300mの範囲内で撮った写真だけを飾る、というもの。

今回は会場の「greenstyle」から自転車で巡れる距離である半径500mに設定して、その範囲内のみの写真を展示することにしたのだ。

観に来てくれた方が、その場所を見に行ける範囲で。

稲垣徳文さんは彼に付き合わされる形で、完全に巻き込まれていた。

しかしそのことによって、「プロカメラマンの作品を間近で観られる機会をみなさんに作ったのだ」と、彼は自分への言い訳をキッチリと用意していた。

紫色した煙を眺める。

彼はフィルムしかやらないし、しかもモノクロームしかやらない。

夥しい種類のグレーとほんの少しの黒と白。

彼は意固地になっていると言ってよかった。

なにしろ頭の固い男なのだ。

見たこともない果物の種みたいに。

そして「下らない名前を付けたい」とこんな名前を思い付く。

簡単なひらがなが規則正しく並ぶ。

彼は大好きな横浜を、大好きな自転車に乗って、大好きなモノクロームのフィルムに収める。

それを暗い部屋の中で復活させる。

ガラスで出来た指輪みたいな、本物と同じような別物に。

それをまた横浜に返す。

そんなことを11月9日から。

ひたすら美しい偽物を。

「たくさんの人が来てくれたらいいな」と彼は思った。

本日のお連れカメラ

ローライフレックス 75mmF3.5

石井正則
http://www.arikiri.jp/