冬の酒田

イクメン講座のアンケートを取りまとめてくださった
鎌ヶ谷市のYさんには、某有名新聞社に勤務の
報道カメラマンのお嬢様がいらっしゃいます。
このお嬢様とご一緒に,お正月休みなんと日帰りで
山形県酒田市に行っていらしたそうです。

私たち写真好きにとっては、酒田と言えば土門拳記念館です。

Yさんは報道一筋のお嬢様が、是非とも
土門拳記念館に行ってみたい,というので
日帰り強行軍をされたのでした。

土門拳記念館は私の恩師故三木淳先生が奔走して
建設を実現,初代館長になられたのでした。

土門拳先生の写真を最高の状態で展示してあり、
また館内には土門先生と交流のあったイサムノグチの彫刻や
勅使河原宏の庭園などがあり,総合的に浸れる空間を
作り上げています。
なんと2009年には、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」
に二つ星として格付けされたのだとのこと。
山形に行く事があったら,是非足を伸ばして
みて頂きたい場所のひとつです。


記念館が出来た頃,私はフリーになったばかりで,学生や仲間と
先生の鞄持ちでたびたび酒田へご一緒させて頂き、
その度に一日は土門拳記念館で過ごし,
後は最上川の白鳥や,ドラマ「おしん」の舞台だった山居倉庫、
2月15日頃にある「黒森歌舞伎」という農民芝居などを
撮りに行ったものでした。

寒さに負けて小屋のストーブを見つけてはあたってばかりいた
私たちを尻目に,三木先生はずっと吹雪の中シャッターを
切っておられました。
今は,先生が撮りたい写真のために寒さも忘れるほど
集中しておられた事が理解できるようになりました。
言葉ではなく姿でたくさんの事を教えて頂きました。

先生が亡くなられた後に,私は「奥の細道」の取材で
酒田に再びお邪魔する機会を得ました。
芭蕉が訪れたのと同じ夏に。
初めての夏の酒田でしたが,日本海に沈む夕日が
それはそれは奇麗でした。

Yさんは「寒い時に寒い場所ヘ行って大変でした」と
おっしゃいましたが,
大変でも寒い地方は寒い時に行った方が、その魅力が判りますね、と
お話ししました。
雪で大変でも雪が風景をより幻想的にしてくれます。
寒い陽気は酒や料理をよりいっそう美味しくします。

日本の原風景が残る東北が,私は大好き。
またぶらっと雪の降る日本海を撮りに行きたいものです。

 
  • コメント(全4件)
  • さくら 
    1/16 10:49

    様子が目に浮かびま
    体験したくても日頃の生活からは、難しいかも
    田さんの体験を勉強させて頂きたいといつも思っています
    々と教えて下さいね

  • おんちゃん♪ 
    1/16 11:02

    風景画家の東山魁夷さんも雪の降る山中で、絵を描いていらっしゃる写真を見て凄いなーと思いました。

    東山魁夷さんの言葉
    「清澄な自然と、素朴な人間性を大切にすることは、人間のデモーニッシュな暴走を制御する力の一つではないだろうか。人はもっと謙虚に自然を、風景を見つめるべきである。」(日本経済新聞社 「ポケットギャラリー 東山魁夷」より引用)
  • さくら 
    1/16 12:10

    その通りですね。疲れた時にまた、毎日の生活の中で、目にした時、心洗われる気持ちになります
    張らなくっちゃと元気をもらえますね

  • 石田美菜子 
    1/16 12:25

    偉大な自然の前では人は無力ですね。天災の時によく言われるけれど,ただ音もなく深々と雪が降っているのを見た時も,同じように感じます。途方もなく大きい風景に心奪われると、それに跪きたくなるような感情にとらわれる時も…寒さもまた絵に書き込んで行く巨匠の言葉に深く深く感動
    えてくださって,ありがとうございました。
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