卒業制作のキャスティング

私が講師を務めている日大芸術学部映画学科の卒業制作の
準備が佳境に入ってきた。

日芸では学生一人一人が一本の監督作品を作り、それが言わば卒業論文。

8人の講師がそれぞれ4人ぐらい学生を受け持ち脚本の指導をおこない、
講師からOKが出ると制作に取りかかる。
現場が始まったら、講師は一切関わらない。

ただ、どうしても学生だと人脈がないのでキャスティングの相談
には乗る。

学生映画なので、お金はない。でもいいものは作りたい。
そうなると無名でも実力のある俳優たちの出番である。

お蔭様であちこちでワークショップの講師に呼ばれているので、
そういう人たちを知るチャンスは多々ある。

学生にとっては一生残る作品であるし、僅かとはいえギャラも
支払われるのであるから、いい加減な紹介は出来ない。
脚本を読み、その役柄に最も相応しいと思われる役者をあれこれ
思い浮かべながら、学生たちに推薦し面談を組む。

今回は今のところ、3作品に5人を推薦し、監督の学生たちに
全て気に入ってもらえて、無事に採用された。

5人とも瀬川塾の塾生や元塾生。
何と言っても長く付き合っているし、実力や性格も分かっているから、
安心して薦められる。

しかし、ここが大事なところだが、どんなによく知っている仲でも、
役柄に合わなければ推薦はしない。
これは勿論プロの現場でも一緒。
何でもかんでも知ってるからと推薦するのは、ただの公私混同。

そういうことをすれば、作品の出来は悪くなるし、推薦者は
バカにされるし、何より出演した俳優の評価ががた落ちだ。
いいことは一つもない。

今回はたまたま瀬川塾で固まったが、まだ実は相談されている
役柄もあり、これは塾生にはいないので、今頭の中で、他の
ワークショップで出会っている俳優たちをグルグル思い描いている。

今日・明日はシネマプロデュースのワークショップ。
リピーターの人たちもいるが、新しい人もいる。

さて、どんな出会いが待っているのか。
楽しみに出かけます